でこ・れーしょんっ! | |
作者: 夏姫 みの [Home] 2010年10月11日(月) 14時30分47秒公開 ID:CWWU7A72x.k | |
「はぁ……」 これで九百回目かな? 今日は、すごい量のため息をついた気がする。 「デザイン、なんかないかなー」と思いながら部屋を見渡すと、目に留まったものがあった。 「あれ? これ……」 全然気づかなかった。収納しているだけで、全然そこから本を出さない本棚。そこに薄っぺらいデザインノートがあった。私はそれを手に取る。 このデザインノートは、私の初デコ〜三ヶ月ぐらいまで使っていたデザインノートだ。最初は、これを見ながらデコをしていたのを覚えている。結構前のものなので、ちょっと古い感じがする。 久々にデザインノートを見た第一声。 「へったくそな字だなぁー」 本当に汚かった。読めるっていえば読める。でも汚い字だ。 そうこう思ってページをめくっているうちに、二枚一緒にくっついてるページがあった。 「……?」 そっとペリペリ……とはがしてみる。すると とてつもない衝撃が。 「……おねえ、ちゃん……?」 知らなかった。まさか、まさか…… お姉ちゃんが私のノートで一つだけデザインしていたこと。 お姉ちゃんのデザインはこうだ。ポップ系といえばいいのだろうか。七色のレインボーストーンをちりばめた――ボールペン。偶然にも私のデコるものだった。そして説明が細かくて、わかりやすい。 私は涙が出た。 嬉しくて、温かくて、お姉ちゃんがいるようで。 はっ!! 私の脳内が、ひらめいた瞬間だ。そして私はとっさに、机の引き出しからラインストーンとパーツを出した。 川上さん、気に入ってくれるかな? と思いながらデコる。 「よしっ!! まずは赤色から!!」 私はその日、デコに一日中専念をしていた。 「川上さんが、次の学校で新しいスタートが切れますように」 という願いを込めながら。 ⇒To Be Continued... |
|
■一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集 |