でこ・れーしょんっ!
作者: 夏姫 みの  [Home]   2010年10月11日(月) 14時30分47秒公開   ID:CWWU7A72x.k
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 朝の休み時間、学校の裏庭にて。私は学校の裏庭が好きだ。よく私もせいも、たいていは休み時間中ここにくる。ここは静かで読書や、ゆっくりしたいときにはもってこいの場所。すごく静かでリラックスできる。


らん、おはよう」
「……はよ」


 星が笑顔で話しかけてくる。……うさんくさい笑顔だ。それに対して私は、少しぼーっとしてから元気なさげに返す。


「あれからどう? デコとか」
「あーうん。あんたに勝ったから、今は停滞期。姉とはやってるけど」
「あれ? お姉さんなんていたっけ? お亡くなりになられたんじゃ……」


 お亡くなり、だけ敬語だなーと思ったけど、あえて言わない。そういや星には話してなかったんだっけ。姉のこと。


「姉は実は留学していたの。パリへデザイナーの勉強で、両親には了承済みで留学。死んだーとかは私についたウソ」
「えっ?! じゃあ、なんでウソで留学していたこと欄に隠してたの!?」
「私と姉を引き裂くことで、いつも自分のことを姉任せにしていたから、それを自分でできるようにーということで」


 星は言葉がでなかったらしい。氷のように固まっている。私はそんな星を無視して続ける。



「でも本当に死んでなかっただけ嬉しかったけどね」



 私はそう返す。最初は「死んだ」って聞かされたときは泣いた。でも今は違う。お姉ちゃんが生きていて、よかったと思うし。


「そっか。よかったね」
「うん。よかった」


 ……さっきの星は元気なさげに言っていた。なんかうまく言葉で表せないけど切ない顔、みたいな。


「あ、もうすぐチャイム鳴るんじゃない? 教室に戻ろう」
「うん」



 そして私と星は、教室に戻っていった。






昔からの「友人」としてわかるけど星は、いつもより元気が無い。





ずっと星のことを見てきたし。
気のせい、だなんて思えないぐらいだし。




絶対、何かある。




私はそう、心の中で言った。






⇒To Be Continued...

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