でこ・れーしょんっ!
作者: 夏姫 みの  [Home]   2010年10月11日(月) 14時30分47秒公開   ID:CWWU7A72x.k
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 私が星の家から帰ってるとき、見覚えのある女の人が見えた。暗くてよく見えないけど。
 でも、見覚えがある。



「……え。らん……? 欄なの?!」


 女の人は言う。その女の人の近くに行くと、信じられない光景を目の当たりにした。
















らい、姉ちゃん……?」















 し、死んだんじゃなかったの?! 幻覚?! 幻聴?!



「……欄……本当に……欄なのね……」



 姉は少し涙を流していた。嘘でもなんでもない。ちゃんとした、お姉ちゃんだ。


「お姉ちゃん?! どうしてココに……?」
「欄……。謝らなきゃならないことがあるの」
「謝る??」


私は疑問に思った。


「欄。私は……死んでないの。私はデザイナーの勉強をするために












パリへ留学してただけ、なの」











りゅ、留学!? パリって……オシャレの本拠地……。


「そう、本格的なパリで勉強するためにね」
「……!!」


死んで……なかったんだ……。


「今まで隠していてごめん。親には知らせたけど、欄には言いたくなかったの」
「どうして?」

 私は親が知っていたことも、今初めて知った。お姉ちゃんに口止めみたいなことをされていたことも。

「あなたは、まだ幼くて「お姉ちゃん!」って言って、私にくっついていた。でももう時期、私から離れないとダメかなって。自分で出来ることは、自分でやってほしいし。だから……留学したの。夢のためでもあるけどね」



そうだったんだ……。でも……でも……




「死んでなくて、よかった……」
「うん。でも私は少し、後悔してる」
「なんで?」




「こんな大騒ぎにしなくても、もっとちゃんといい方法があったはずだし……ね」




お姉ちゃんは、少し落ち込んだ表情で言った。
 確かに死んだことにしなくても、よかったハズ。でも……私はよかった。





「大丈夫。お姉ちゃんが生きてるから、いい」





私はその日、一日中泣いていた。嬉しくて、嬉しくて。
 お姉ちゃんも、私と同じ嬉しかったらしい。久々に家族のもとへと戻ってきたから。




よかった、本当に生きていて。







私はそう思った。






⇒To Be Continued...

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