ジュエルプリンセス 第11話〜第15話までの総集編
作者: 夏姫 みの   2009年09月12日(土) 12時45分46秒公開   ID:bkWoewa3Plc
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第14話 裏は悲劇と表は驚き





「あの記憶喪失は、いずれは死に至る病気だからね。あの病気は私の魔法でなる病気だからさ」


 ブラックローズ学園の学園長、哀瑠あいるが言った。そして、その言葉を残してこの部屋を後にした。
 哀瑠が去ったとき、由梨は奥歯をかみ締めた。この事実は自分自身、初めて知ったコトだった。





「どうして妹にあんな魔法をかけたのよ……」





どうして? どうして?




貴方に恨みもない妹に、どうしてそんな魔法を……っ!




哀瑠様、私は貴方のことを信用していたのに……!!!!





***





 ある日の中休み。今日も空は快晴で気持ちいい天気だ。私は校内の芝生の上で一人座って空の雲を眺めていた。……こうしてみると時間って、のんびり進んでいくような気がする。


「はあーっ……」


 そして私はため息を漏らした。最近、なんだかめまいがしたり疲れがどんどんたまっていく感じだ。

「どうしたんです? 姫様」

偶然通りかかった桃奈ちゃんが聞いた。私の顔を覗き込む。


「最近、めまいがしたり疲れがどんどんたまっていく感じなの」


 私がそう言ったとき、桃奈ちゃんは魂が抜けたような感じの表情だった。なんていうか、とても驚いた顔。

「あの病気の悪化ね。姫様の寿命が短くなったかもですわ……」

桃奈ちゃんが何かつぶやいてる。私は

「どうしたの? 桃奈ちゃん」

と、聞いてみた。桃奈ちゃんは悲しげな顔をして


「大丈夫ですよ。いずれは治るのですから……」


と言った。
















――その日の放課後





「へ? 今日は仕事がないって?」


私は陽からそう聞いた。


「ああ。今日は桃奈が「姫様が疲れていらっしゃるので、会議を休ませましょう」って言ってた。まあ、今日の仕事は資料整理が多いし、君がいなくても大丈夫」
「……そう。じゃあ、今日は欠席するね」


と、いうわけで私はその日の放課後、会議を欠席した。









―その頃の陽たち





「あのさ、記憶喪失が悪化したって本当か? 桃奈」

陽が深く考えながら言う。桃奈は悲しげな表情をした。

「はい。めまいよくする場合や、疲れがすごくたまることは、あの病気の前線ですわ。もし、これ以上悪化するのなら……」
「はい、覚悟はできています。姉さん」


有紀が言う。陽もうなずく。












哀瑠あいると戦うということになるのか」















「そうですわ。最初で最後の戦いですわ!!」






「――そうね、私も協力してもいいかしら? その作戦」



「この声は……!」


桃奈が振り返ると由梨ゆりが立っていた。

「でも、今日は…」
「わかってるわ、さっき見かけたもの。姫様あの子を」

由梨が言う。陽たちは驚いた。

「ど、どうして協力するのです?」

有紀が言う。由梨は悲しげな顔をしてこう言った。

「私のも、その病気にかかったの。でも、自分はどうせ死ぬから自殺しちゃったの。なにも、妹には哀瑠様……ううん、哀瑠に恨みはないのに……! 私の妹に生きる希望をなくさせたのは許せない……!」



そう言ったとき、生徒会室の中はしーんとした。

「それ、本気で言ってるのか?」

陽が口を開く。


「そっ、そうよ?! 何か文句ある!?」


「わかりました」


言ったのは有紀だった。


「敵同士でもたまにはいいところがあるんですね。由梨さんは」
「べ、べつにっ!」


顔を赤らめて由梨は言った。




⇒To Be Continued...

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