いろいろダイアリー 夏姫の誕生日Special
作者: 夏姫 みの  [Home]   2009年07月28日(火) 20時14分15秒公開   ID:I3pQytENAQc
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「叶氣さま! これ……」
「ああ! これ、合唱コンクールの楽譜かー。やっと届いたんだね!」

俺はその会話を偶然、廊下で見かけた。




コイツ、俺のだから




「はい! この曲なんですけど……」

男は叶氣に楽譜を渡す。


「あ、うん! この曲かー。ピアノを弾くのが楽しみ!」

へーっ……。叶氣は伴奏をやるんだ。ってそーゆー意味ではなくて、なんだか胸がモヤモヤするのは気のせいか? あいつら見ているとなんか……。


「じゃあ、失礼しました!」
「あー。ありがとうね……さて、陽にも知らせようかなー。……!!」
「うっ……」


き、気がつかれたか。叶氣に。


「どーしたの?! しかも、ちょうどいいところに! あ、もしかしてさっきの話を聞いてたとか??」


ま、マズイよ。これは。素直に「話を聞いてた」って言えばいいのだろうか? いや、でもなー…


「ま、まあな」
「いや、でも本当は私から知らせようと思ったけどねー。陽が聞いてたとは……」


や、ヤバイかも。


「ごめ―」


謝ったほうがいいと思って、俺は謝ろうとしたら


「いいよ、そんなんで怒るわけないよ。でも、聞かれたのは仕方がないかー。ちょっと残念」


そう言われた。俺は少し胸がズキッとした。内心では、叶氣が傷ついてるんじゃないかと思って。


「そういや、お前、ピアノって得意だったっけ?」


俺は言う。なんだか今まで叶氣が伴奏だなんて、聞いたことがなかったからだ。


「えっ、言ってなかった? 私は得意ではないけどある程度、練習すれば弾けるよ?
「ふーん」


俺は叶氣に抱きしめる。無性に抱きしめたくなる。


「えっ! ちょっと、ど、どうしたのよ。ピアノぐらいの話で」
「なんだか俺、お前が違う男と話してると、モヤモヤしてきたかも」
「な、なんで?! や、ヤキモチとかそんなこと?」


叶氣が俺のほうをむいて言う。







「そーかもな」







叶氣は顔を真っ赤にする。その反応が可愛くて仕方がなかった。






コイツ、俺のだから


(だから、手出しは許さない)




⇒To Be Continued...

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