どれCry Lovers? 千里の道も一歩から! 
作者: なぁび   2009年09月11日(金) 00時08分42秒公開   ID:sw0xlSukK4E
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 それから何度目かの会議を重ねて、やっと仲もよくなってきた頃。


 「んじゃ今日の会議はここまで。後明日も4時半からあるから遅れないように」

 本日の会議を終え、美津子はその日の書類をとんとん、とまとめる。

 ほとんどの人がドアに殺到する中、こちらに向かっている人が約一名。

 
 「…ぼ、僕も手伝いますっ! それ、重いですし!」


 千里だった。


 「別に結構よ。人がいた方が邪魔だし。あんたもさっさと帰った帰った」


 美津子は千里と顔を合わせるでもなく、きっぱりと断った。
 だがそれで引き下がる千里ではなかった。

 「でもっ! か弱い女性に全部持たせるなんて! 僕が手伝いますから!」

 帰ろうとしていたみんなに何かのフラグが立った。


 今時珍しい奴。か弱い。その一言に美津子は一瞬ではあったがときめいてしまい、そんな自分自身を疑う。


 「だからいらないっていってるでしょ?! あんたしつこいのよ!」


 美津子は冷たく言い放った。すると、千里はひるむどころかそのままさっとその場に正座し


 「しつこくても脂っこくても! 貴方様の犬でもいいからそばに置いて下さいっ!」













 ――…千里! お前ニンゲンとしてのプライドはないのか!












 ドア付近にいたみんながそう思った。




 「…犬? You are dogあんたは犬? You are my dogあんたは私の犬?」





 ふふふ、と美津子は不敵な笑みを浮かべ、こう言った。






 「だったら置いてあげるわよ、私の隣に! 犬!」






 ――犬って言ったのはあんたよ? だったら利用してやろうじゃない。






 「はい!」



 予想に反して、笑顔で犬は答えた。









⇒To Be Continued...

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