ジュエルプリンセス+11 中学一年生の五月一日。
作者: 夏姫 みの  [Home]   2010年08月23日(月) 14時54分45秒公開   ID:pKbqOpuK9mo
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 春。



 それは出会いと別れのある季節。それを思い出させる季節でもある。いろんな「新しい」がある。それはわかっている。
 でも……私は、迷ったままだ。学校に、うまくなじめない。……パワージュエルと出会ったら特別生徒に任命された。なぜ特別生徒なのか? とかはわからない。でもパワージュエルという宝石を見せたら入れたという。
 なんだか、いきなりすぎてパニックになる。



由梨ゆり



 私の名前は鈴川すずかわ 由梨ゆり。ブラックローズ学園 中等部 一年生。入学して二週間目。そろそろ五月になりそうなこの時期。


「あ、哀瑠あいるさま!! おはようございます」


 ふらっと歩いている私を廊下で呼び止めたのは、黒百合くろゆり 哀瑠あいる学園長。私を特別生徒に任命した人。そしてなんとなく、雰囲気が母に似てる。

「学校になじめるようになった?」
「いえ。……まだです

 もう私と同じ新入生のほとんどの人は、なじめている。でも私はなじめていない。新しいことだらけで、疲れも小学生のときより倍になっていったりする。


「早くなじめるといいね。それと、五月一日から特別生徒としての特訓が始まるから
「特訓?」
「あの宝石を最大限に引き出す特訓。ジュエリーチェンジ、っていうけど」



ジュエリー……チェンジ……?



 妹から聞いたことのある言葉だ。でもチラッとしか聞いてない。けれどもジュエリーチェンジを直訳すると「宝石に変わる」っていう意味になる。なんかうまくピンッとくるものが無い。


「ま、そんなわけで。チャイムが鳴らないうちに早く教室に戻りな。特別生徒さん


 哀瑠さまは、そういい残して廊下を歩いた。






⇒To Be Continued...

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