ジュエルプリンセス+11 中学一年生の五月一日。
作者: 夏姫 みの  [Home]   2010年08月23日(月) 14時54分45秒公開   ID:pKbqOpuK9mo
【PAGE 4/6】 [1] [2] [3] [4] [5] [6]





 リビングに飾ってあった、ひとつの写真を手に取る。それは家族全員がそろった時の写真。あの時は小さくて、あまり覚えてないけど。四人の笑顔がとても、輝いているように見えた。




「また、こんな風になればいいのにな」




私はつぶやく。叶うことは無いけれど。





「そんな人が身近にいるって、縁があるだけでもすごいと思うの」





あすきの言葉を、私は思い出す。















――もう、いない。








気がつけばいない。









それは寂しいこと。









身近なつながりがあるから寂しくて









悲しくて、大声で泣きたくなる。










切っても切れない縁や「つながり」があるから、









「人」っていう漢字が成り立っていると思う










「生きている」と思える。









今、そう思えるの。





























五月一日 朝




「行ってきます」



 今日は特訓の日だ。頑張らないと。いや、頑張らないといけない。頑張る、って誓ったから。












亡き妹にも、母にも。














「応援してるよ」














え……?














今のは、幻聴?













「おはよう、由梨」













――つながり。










それは切っても切れない縁。









それを教えてくれて、希望をくれたあなたに精一杯の















「おはよう」













を返します。




















End





⇒To Be Continued...

■一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集