ジュエルプリンセス+11 中学一年生の五月一日。
作者: 夏姫 みの  [Home]   2010年08月23日(月) 14時54分45秒公開   ID:pKbqOpuK9mo
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 哀瑠あいるさまに言われ私は教室に戻る。すると、哀瑠さまと私の会話を見ていた友達が一人寄ってきた。


「すごい! 由梨!! ジュエリーチェンジするの!?」


 ホントでかい声で私の友達、華上院かじょういん あすきが言う。華上院家は日本舞踊を伝統とする家であり、あすきもその娘で跡継ぎだ。日々、日舞の練習を重ねているという。ちなみに、あすきとは小学生のころからの付き合いだ。お互いいい所も、悪い所も知っている。
 そんなあすきがジュエリーチェンジを知ってるとは意外だ。

「声が大きい!! ……っていうか、知ってるの?」

 パッとあすきの口を手でふさぐ。あすきは口が軽いのだ。「秘密」と言っても、すぐバラしてしまうことが多い。

「ええ。なんと言っても綺麗で可憐で……日舞みたいなものよ! ジュエリーチェンジって意外と有名だけど、伝説――までしか語られてないわ
「そうなの?」

 そんな伝説の力に私は選ばれたんだ……。後になって、すごいと思う。今まで全然すごいとは思わなかった。

「でも、あくまでも伝説でね。由梨が出来るなら、生で見たい!! 今度見せてよ!!
「あのね、これは遊びじゃないのよ。日舞だって、遊びじゃないでしょう?」
「そりゃそうだけども……でも気になるじゃない!! 伝説の力とか

 はぁ……。あすきのテンションには毎回ついていけない。この状況からして、あすきは日舞やってるとは思えない。


「でも、そんな人が身近にいるっていいよね」
「え?」


 私はあすきの言っている意味が、わからなかった。



そんな人が身近にいるって、縁があるだけでもすごいと思うの。有名人とか芸能人と友達、みたいな。由梨は伝説の力を持っている。だからそんな人と友達っていう縁があるだけでもうれしい


 笑顔で、あすきはそう言う。……言葉が出ない。
 そのとき、チャイムが鳴った。急いで私とあすきは席に着く。



(身近、か……)





⇒To Be Continued...

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