我らザ☆ドラえもんズ 擬人化学園パラレル | |
作者: なぁび 2009年08月31日(月) 22時10分14秒公開 ID:sw0xlSukK4E | |
「本日はお日柄もよく…」 「なんだか眠くなって来ちゃったぁ…」 「こら、ドラリーニョ! 寝ちゃ駄目である!」 ドラリーニョは式の最中もドラメッドの隣にいた。なぜなら彼は落ち着きがないからである。 ドラメッドがドラリーニョの両脇に手を入れ、ちょろまかと動き回らないようにしっかりと固定している。 今は退屈でしかたがない校長先生の話。飽きているのはドラリーニョだけではない。 時刻は9時6分。たしか入学式は、9時半までの予定だ。 それまでしばしの辛抱。 長ったらしい校長の話を終え、次は新入生代表の言葉。 ちなみに新入生代表は、王ドラだ。 作文用紙を片手に、王ドラは緊張した足取りでステージへと上がった。 「新入生代表の言葉 1年2組 王ドラ…」 王ドラが内容に入ろうとした時だった。 だ――――――んっ! もの凄い音が、体育館中に響いた。睡魔と闘っていた生徒も、脇でずっと立っていた先生も、ステージの上の校長先生も王ドラも、驚いて音のした方に注目した。 「ま、ま…間に合った…のか…?!」 金髪碧眼の、長身の少年がそこに立っていた。肩で息をしながら、状況を確認する。 「にゅ、入学式の会場って、ここだよな…?」 「ここであるよ。今、入学式の真っ最中である」 ドラメッドがそう言ったのと、ドラリーニョが「あ!」と叫んだのはほぼ同時だった。 「あーっ! キッドだ! キッド、今日のパンツアメリカンだねぇ、かっこいいなぁ」 そう叫んだのは、もちろんドラリーニョ。 「今日のパンツ…アメリ…ぅああああぁぁぁッ!?」 ドラリーニョの視線を追うと、そこにはキッドのズボン――俗に言う社会の窓――があった。よく見るとそこが開きっ放しで、青と赤のアメリカの国旗の模様のパンツが丸見えだった。 慌てて閉めたキッドだったが、もう遅い。 「…君、あとで生徒指導室に来るである」 「これで全員集合、ですね」 騒がしい学校生活を思い浮かべながら、王ドラが力なく呟いた。 |
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