我らザ☆ドラえもんズ 擬人化学園パラレル
作者: なぁび   2009年08月31日(月) 22時10分14秒公開   ID:sw0xlSukK4E
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 「――…まったく、壁を走るだなんて危険すぎるである」
 「なんでー? 危険じゃないよ!」

 ここは生徒指導室。ここに新入生と思われる少年がいた。

 「怪我でもしたらどうするであるか? 見てる方が心配するである」

 ぴしっとしたスーツに桜色の長髪。そして緑色のバンダナ。
 この学校の教師、ドラメッドV世先生だ。

 「大丈夫だよ! だって今まで怪我したことないもん!」

 怒られている少年――ライトグリーンの短髪にちゃんと締められていないネクタイ、ぶかぶかの制服――ドラリーニョはけろっと答えた。

 「とにかく危険なことはやめるであーる!」

 なぜこんなにドラメッドが怒っているかといえば、時間は数分前にさかのぼる。







 「今年の新入生は多いらしいですね、ドラメッド先生」 
 「去年が少なかっただけであろ? 今年は普通である」

 朝の職員室のベランダで、そんな会話を交わしていた時であった。

 「それもそうですね。今年はどんな生徒が来るのやら…」

 呑気に言う教師の目の前を、砂埃が舞った。
 何事かと辺りを見回すと、もう一度その嵐はやって来た。

 「桜が満開だぁ〜!」

 砂埃の正体は、一人の少年だった。

 「か、壁、走って…?!」
 「こ、こら! 危険であーる! 今すぐにやめるであーる!」






 そして現在に至るわけだ。


 「先生、なんていうの? 名前!」

 叱っている最中にも関わらず、ドラリーニョが足をバタバタさせて、言った。

 「こら! 我輩の話を聞いていたであるか?!」
 「ねー先生ーなーまーえー!」

 ドラリーニョはまたけろっとした表情で、無邪気に聞いて来る。ドラメッドははぁ、とため息をついて

 「我輩の名前はドラメッドV世である。ちなみに教えているのは数学であるよ」
 「どら…めど?」
 「ドラメッドである」
 「どらめーど?」
 「メッドである!」

 また叱ってやろうかと思ったドラメッドであったが、ふと時計に目をやると時刻は8時37分を指していた。


 入学式は8時45分からだったはずだ。

 「ちっ、遅刻するであーっる!」

 ドラメッドはドラリーニョの手を掴み、猛ダッシュで体育館へと向かった。







⇒To Be Continued...

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