響き渡る旋律 04 特訓
作者: 李兎   2009年07月12日(日) 20時29分33秒公開   ID:ewhJdwHk.MU
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-湊and冴季-

「宜しくお願いします」

ついたのはキーボードが置いてある部屋だった。
譜面代とメトロノームとキーボードに窓と本棚が置いてあるシンプルな部屋だった。

「私は自己紹介したですよね?貴方の名前は何て仰るの?」
「神月湊です」
「部活は?」
「一応は軽音楽部です」
「楽器は?」
「ピアノとアルトサックスです」

冴季はどんどん質問をしていった。
湊もしっかりと答えた。


「じゃあまずはキーボードで音階をやってくださいます?」
「はい」

音を間違えずに出来るだろうと冴季は思う。
何だってピアノ経験者にキーボードが出来ないはずがない。


「流石は軽音楽部ね」
「うちだってこれぐらいは出来ます」

「フフフッなめてかかり過ぎたですね。次はこの楽譜の曲をやってくださいますか?」
「第3番 ホ長調 『別れの曲』ですか。やりましょう」


キーボードで弾くには可笑しい気がしたが気にしない。
確かにピアノとキーボードは音も音色も違う。

冴季は少し驚いた。
音の強弱から何から全てが楽譜通りだった。
ここまでしっかりと楽譜を読んでいる人なんていない。
実際に自分も楽譜の記号を少しかえて演奏している。










「湊さん。お疲れ様です。とても上手でした」
「これは一ヶ月前までピアノで奏が弾いていた曲でギリギリ覚えていました」

「―――貴方はこの曲は初めて?」
「はい」
「本当?」
「うちは基本はアルトを吹いているんで」

驚きが隠せていない。
自分はこの曲を覚えるのに少なからず二日はかかった。


「これから貴方達のバンドの成長が楽しみです」
「有難うございました」













少しずつ前に進む君達
僕達はずっと見守っていてあげる







⇒To Be Continued...

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