愛という名の正義の果てに 〜ジュエルプリンセス なぁび作〜
作者: なぁび   2009年05月23日(土) 16時36分23秒公開   ID:EwcnCl4eQxI
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 古い倉庫。

 いつからここにあったのか、ここの生徒ですらここを知る者はいないか、もしくはいないであろう。
 さてさて、そんな倉庫に誰が近寄ろうと思うものか。







 
 今は草木も眠る丑三つ時、そこにあるのは、ざわざわと不気味に揺れる森、その不気味さを一層引き立てるかのように一段と明るい満月。

 「――あれ…こ、こ…?」

 可哀想に、そんなところに迷える子羊が現れてしまった。



 ――彼の名は、日向 陽といった。 



 なんでこんなところに――それは、彼自身も分からない。
 こんな場所があったことさも、知らなかった。

 (ここは、学校の敷地内か…?)

 見回す限り木、木、木。それしか見当たらない。

 「…怪しいし、帰った方いいよな?」

 陽は独り言をつぶやくとその倉庫らしき建物に背を向けた。そして、方向は分からないが、とりあえず帰ろうとした。






   












 ――…帰ッチャウノ?夜ノ森ニハ何ガアルカ分カラナイヨ?










 「…え?」

 声が聞こえたような気がして陽は振り向いた。しかしそこには誰もいない。
 なんだ、と顔を正面に戻した時。




 ――…ココニ入ラナイノ?ココハ昔ノ生徒会用ノ寮…アナタタチモ本当ハココニ住ムハズダッタノニ




 「え?俺たちもここに住むはず?だった?」

 ――ソウ。興味ナイ?

 姿の見えない声に陽は問いかけるとその“声”は答えをくれた。
 陽はさらに“声”に尋ねる。

 「じゃあなんで今は使われてないんだ?理由があるんだろ?」

 ――答エガ知リタイノ?

 「あぁ。俺も生徒会だからな」

 ――答エヲ望ム、勇気アル者ヨ…扉ニ手ヲカザセヨ…

 そして、陽は扉を開けてしまったのだった…。























 
悲劇という名の、始まりの扉を…


⇒To Be Continued...

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