愛という名の正義の果てに 〜ジュエルプリンセス なぁび作〜
作者: なぁび   2009年05月23日(土) 16時36分23秒公開   ID:EwcnCl4eQxI
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 中は、外から見るよりも広々としていて、誰かが定期的に手入れでもしているのだろうか、思ったよりも綺麗だった。
 その時は疑問に思わなかったが、近くにあった火のついたろうそくを燭台のまま手に持った。
 そして陽は館の中を探索することにしたのだった。

 まずは1階から。
 1階にあったのは、陽が想像する限りではみんなでだんらんをするための広々としたリビング、それからみんなで囲むようにして食事をしたであろう食堂、誰が料理を作るのか、キッチンなど。
 







 気の済むまで陽は1階を探索した後、また入ってきたホールに戻り、中央にある大きな階段を見据えた。
 「なんか、人形の家っていうか…洋風なつくりだな」
 階段に足を乗せると、足を乗せた段がギィィと軋んだ。
 もしかしたら壊れるんじゃ?などと思いながら陽は1段1段昇っていく。
 そしてなんとか上まで昇ると、大きなドアが目に入った。
 「…?」
 注意深く手を掛けると、そのドアはためらいもなくあっさり開いた。
 覗き込んでみると、中は長い廊下が続き、ドアがある一定の間隔を持って並んでいた。
 いちばん近くのドアには、


  〜生徒会長〜 …… …の部屋


 と書かれていた。さすがに名前までは字がかすれていて読めなかった。

 その隣、その隣、と見て行くと順に副会長、会計…と並んでいた。

 「2階は寮なのか…」

 陽は廊下の端から歩いてみることにした。
 生徒会長、副会長、会計、書記…。間に資料室や会議室などもあった。
 
 ――本当にここは生徒会が使っていたのか…。

 一通り中を見て回った後で陽はふっとさっきの疑問を思い出した。

 「どうしてここは今は使われてないんだろう…特に変なところとかないと思うんだけど」

 しかしさっきの“声”は答えをくれなかった。陽の声だけが空しく響いた。
 そんな時急に陽はトイレに行きたくなった。あたりをきょろきょろと見回し、トイレを探す。
 そしてトイレを見つけると慌てて駆け込んだのだった。

⇒To Be Continued...

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