ジュエルプリンセスMiracle 第15話 夏休みの返事
作者: 夏姫 みの  [Home]   2010年07月28日(水) 10時39分21秒公開   ID:pKbqOpuK9mo
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 その日の帰り。今日も綺麗な夕焼けだ。赤とオレンジと黄色。明るくて、暖かい感じの三色でできた空は綺麗だった。叶氣かなきは一人その夕焼けを見て帰る。

「綺麗な夕焼けだな。そういや私とようで遊園地に行ったときも、こんな夕焼けだったかな」

 叶氣は思い出す。自分が「初デート」と勘違いをして、陽と一緒に遊園地に行った事、そのときの夕日が綺麗で陽を照らしていて、その彼がすごくかっこよく見えた事。その時、自分は本当に彼が好きだと実感をした。そんな事を思いだす。




「懐かしい」




切なげに一人呟く。その呟きは、誰にも聞こえない。むなしく響くだけだった。その時



姫様プリンセス



叶氣が後ろを向いた瞬間、そこにはしゅうが立っていた。

「秀くん。詩羽しうちゃんは?」
「先に帰った。帰って、すぐ課題をやらないと間に合わないって言ってて」

秀は淡々と言う。

「姫様、どうしたの?」
「う、うん。少し、寂しいなーって思ったの」


「……日向ひなたくん?」



「うん」




秀の質問に、叶氣は寂しげな顔で答える。その時







秀は叶氣を後ろから抱きしめた。






「えっ? 秀、くん?」
「……」



しんとしてるが、叶氣の頭の中ではパニック状態になっていた。真っ白だった。


「僕じゃ、ダメ?」
「?! ど、どうしたの? 秀くん」


叶氣は顔を赤くさせ、緊張しながらも言う。


「……どうもしてない。ただ……





姫様の傷つく顔が見たくない」






 叶氣は驚いたと同時に顔がさらに赤くなった。秀の顔さえも、恥ずかしくてまともに見れない。そして、この状態は金縛りにあったように動けない。
 その時



「……夏休みの事、覚えてる?」



秀が言った。
 去年の夏休み。秀がLAロサンゼルスにまた引っ越したときに、秀は叶氣に告白した。よう桃奈ももな有紀ゆうきの前で。その時、叶氣は答えを言いそびれた。それを思い出した。




「う、うん。その……あの時はありがとう」




緊張しながらも、叶氣は言う。叶氣の恥ずかしさは1000%だった。



「返事、できる?」



 叶氣はハッとした。返事を言ってない事に今、気づいた。しばらくの沈黙がはさみ、叶氣は口を開く。




「……あの時はとても、とても嬉しかった。そんな風に、まともに告白された事もなかったから。でも……










秀くんのその気持ちには正直言って、答えられない。









悩んだし、断るのも抵抗があったし、すごく……考えたけどこれが私の答え」



 秀は抱きしめていた腕を離す。叶氣は手足が震えていた。たぶん、はっきりと断って秀が傷ついたのではないか? と思って震えてるのだろう。


「ごめん、ね……」
「姫様」







 叶氣は走り去った。そのとき、叶氣はボロボロと涙を流していた。








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⇒To Be Continued...

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