フェアリーテイル 第14話 未来から来た人
作者: モモ   2010年01月20日(水) 20時12分56秒公開   ID:.YGsdf.9cjE
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「あの、一緒に帰らない?」

帰り道、芙美だと思い唯が振り返ると、後ろには日向が立っていた。
日向に話しかけられると、唯は必ずと言っていいほど嫌な顔をする
「勝手にすれば。」
唯はそういうと、スタスタと歩き出した。

「前話そうとしたことなんだけど…」
話し始めようとした日向に唯はまた嫌な顔をし、
「またそのこと?しつこいんじゃない?」
と冷たく返した。
そうすると日向は、ちょっと怒った顔をして
「その話じゃない!ちょっとは人の話を聴けよ」
と、大きな声を出した。
その声にビックリした唯は思わず振り返って、真剣な顔になっていた。
「ご、ごめん…。それで、話したいことっていうのは…」
また前に向き直って唯が歩き出すのと同時に、日向も話し出した。


「いきなり変なこと言うかもしれないけど、俺、未来から来た佐藤日向なんだ。」

「ええええぇぇぇぇぇぇぇーーーー!?!?!?」

その一言を聞いた唯はさっきよりもビックリした顔で、大声をあげた。
「ちょっ、静かに。」
「ゴメン。」
幸い周りに友達はいなかったものの、歩いていたおばさんや子供に変な顔をされた。

「で、どゆこと?」
唯は日向が言ったことを驚きのあまり理解できていなく、聞き返した。
「だから、俺は未来から来た人で、今の日向の未来の姿が俺なの。」
「つまり、あなたは未来の日向ってことね。」
「そう。」
いつの間にか、後ろからついてきていた日向は、唯の隣に並んでいて、唯は嫌な顔をしなくなっていた。
ちなみに身長は唯より日向の方が少し高い。
「どうしてココに来たかというと、俺のときは黒百合の学園長につかまって、唯の敵に回って戦った。そして、結局は唯も優も消滅してしまったんだ。」
「私消滅しちゃうの!?」
「そう。だから、俺が過去、今の時間に跳んで止めに来たんだ。」
「そういうことだったんだ〜。」
「もうあと2〜3日したら、前に俺が経験した消滅の時がやってくる。」
「もうすぐ…なの?」
「優の力が思ったよりも早く進行してしまったんだよ。だから二人とも消滅してしまった。」
「止める方法はないの?」
「方法としては一つある。」
「なになに?」
「ちょっと危険だが、今ごろ、現在(いま)の俺たちは学園長に監禁されていると思う。今日か明日のうちに助け出せば、学園長は優に手をだせない。」
「分かった!みんなに連絡するよ!!」
「よろしく頼む!俺は今の俺に会ってしまうと、存在がなくなってしまうから、陰でサポートできることはやるから。」
「じゃぁ、今日、作戦会議しよ!あとで家に来てね!」

日向と唯は、そう約束をして、家に帰った。


しかし、このあと大変な出来事が起こることは、楽しそうな会話をしている二人には知るわけもないのだが…。



⇒To Be Continued...

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