魔法の花屋さん ローズマリーの思い出、ラッパスイセンの復活。
作者: 夏姫 みの   2011年01月21日(金) 21時20分27秒公開   ID:GyHdRp8fZOM
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 あれから、二日ほどたった頃。あの女の子が、またお店に来た。お話の内容からすると、お母さんに喜んでもらえたって。私は「よかったー……」と言う。


「本当にありがとうね。おかげで日に日に元気になってるし。まさに魔法の花屋さんだなぁ……」
「いえいえ」
「でも、私もこんな風な花屋さんになるのが夢だったなぁ。幼稚園のとき」
「へぇ……」


 また、名前も知らない女の子と他愛もない会話をする。お昼はお客様も全然こないし、今日はお母さんもお父さんもいないし。


「まあでもホント助かった。お花の力ってすごいね」
「……そうですね」



 本当にそう思う。花の力は小さくて弱くたって、大きな力を秘めている。人を喜ばす力、人を元気付ける力。そんな花が無限にあると思う。


「てゆうか、何で敬語?」
「いや、その……お客様には敬語って決めてるので」
「もー! タメでいいって。あ、そうそう。まだ名前も言ってなかったね。あたしは綺羅咲きらさき 美里みさと。呼び捨てでいいよ。君は?」
「私は、海沢うみざわ るかな。私も好きな風に呼んでいいよ」




 お互い自己紹介をする。また、友情が芽生えた。友達が一人増えた。





冬に二つの花が今、いい香りを放たせて、美里ちゃんのお母様を元気付けている。




いつか、本当に退院できるといいな。





そんな願いをこめて、今日もまた「魔法の花屋さん」をやります。




End






⇒To Be Continued...

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