ジュエルプリンセス+14 有紀→桃奈?
作者: 夏姫 みの  [Home]   2010年09月22日(水) 18時53分34秒公開   ID:CWWU7A72x.k
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…………はい? 僕が姉さんになる?


「え、ちょっと姉さん。詳しくお願いします」
「あのね。実は…」


何かの小さい正方形の白い紙切れを僕に渡した。渡された紙には


『日曜日の午後2時 学校近くの公園で待っています。』


と書いてあった。まあ姉さんはモテモテですしね。別にそこまで深く反応もしないですし、楽しんできてもらいたいなぁ、と僕は思う。


「へぇ……。デートのお誘いですか。行ってらっしゃいです」


あっさりと僕は言う。


「違いますわよ!! 行きませんわ!! だって有紀一筋ですものっ!! 弟以外を愛する事なんて無理ですわ!! ええ、いいですわよ!! ブラコンでもいいですわ!!」
「……え」


 いや、今完全に「僕一筋」って言いましたが、気のせいですよね。聞かなかったことにしましょう。



「えっとその、もっと詳しく言うと…」



 姉さんの話によると、今日の放課後に他校の知らない男子から告白されたらしいのです。断ろうとしたが、一枚の紙を姉さんに渡して去ってしまいました。その紙の中身はさっきのデートの誘いが書いてあったんです。でも姉さんは受験生だから「陽くんと勉強会」という予定が入っていて行けないんです。けど、断ってないのに行かないのも失礼だから、僕が姉さんになってデートに行くということらしいのです。


有紀ゆうき、お願い!! 私も受験生なのですわ!! 本来なら、この時間も勉強しないとダメなのですわ!!」


 姉さんも受験生。でも勉強を優先的にするべきですかね。三年生になって、毎日勉強していますし。


「わ、わかりましたです」
「ホント!? ありがとーですわ、有紀!! 早速用意ですわよね」


 姉さんは僕に抱きつく。実は僕、げんなりしているんですよね。はぁ……。ん? 早速用意? でもまだまだかなり時間はありますよ?


「え、デート日は日曜日でしょう? 今日は金曜日ですし、別に明日でも…
いいえ。ダメですわ。準備には、もっと時間をかけないと! 明日、ちょっと二人でお出かけしましょう。もちろん、有紀は女装してもらいますわ。中身まで女の子になるために!!



 ひ、ひぇ〜〜〜〜〜〜っ!!!!! です。もう嫌です。僕はたったの三十秒で後悔しました。でもやると言ったからには、やらないと……です。


「えっとー。今日はまず外見からね」
「ほぇ? 受験勉強じゃ…」
「今はそんなのどーでもいいのですわ!! そんなことより準備ですわよ!!
「……はい」



僕はこの二日間、姉さんの言う事にしぶしぶ言う事を聞くしかないのでした。




 この二日間、僕は休むヒマもなく姉さんにいろいろと教えられました。ファッションの事だとか、僕の緑の瞳は「カラコンです」と言いなさい! とか、なんとかかんとか……。もうたくさん教えられました。






⇒To Be Continued...

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