沈黙の心とその笑顔に 6
作者: 檸檬  [Home]   2010年01月31日(日) 21時32分11秒公開   ID:xadqGTcF5PQ
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「ちょっと、碧、大丈夫!?」

「誰かに水掛けられたみたい」

「マジ!?」

「誰よ、そんなことしたの・・・」

真央としぃ、それに希有の声は怒りに震えていた

「許さない! 誰よ一体!!」

「碧、誰かそれっぽい人見なかった?」

「見てないわ、それにどーでもいいし」

慣れてるというか、彼女は何も思わないから、「ああ、また」で済んでしまう

でも、希有の正義感はそんなことを許さなかった

「絶対犯人を見つけてやるんだから!!」

と、叫んでいた

その時、碧は、自分の心がほんの少し動いた気がした

「希有」

「え?」

「気にしないで」

――――誰のせいでもない、単なる偶然

誰かが誤って水を零して私が被った  それだけ

もし意図的だとしても 私は何も思わないから

「だから、私のために苦しむのはやめて・・・」


「え?」


「今、碧、・・・嫌だ、って思った?」

「え?」

「あたしたちが苦しむの嫌だって、思った?」

「・・・・・・、どういうこと?」

「あたしたちが苦しむの、やめてほしい?」

「・・・」

―――― 苦しんでほしくない・・・

心が 叫ぶ
 
そうだ!  長年忘れていた この感じ・・・!!

「嫌だ」

そう言った瞬間、今迄記憶に無かったものがフラッシュバックしてきた



私は いじめられて 心を 自分で


 壊したんだ


そうだ 心が無いから 思い出すことさえ 出来なかった・・・




「・・・碧、心が戻ったの?」

「・・・これが、心・・・私が忘れていた心・・・」

胸が温かくなるのを感じた

その瞬間、何かが沸き立つのを感じた

「碧!?」

頬に温い水が伝った

「・・・っぁ、ああああっ・・・!!」

「え? ちょ、碧!?」

希有たちはおろおろとしながらも碧の傍に寄りそった




⇒To Be Continued...

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