フェアリーテイル 第13話 不思議な先生と男の子
作者: モモ   2010年01月03日(日) 21時29分34秒公開   ID:.YGsdf.9cjE
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「はーい、みんな席ついてー。」

チャイムがなって数秒後に先生が入ってきた。
おっとりとした声だけど、どこかしっかりとした声。
いつもだったら、チャイムがなるとほぼ同時に男の人の太い声がきこえたはず…。
前を見ると、男の先生ではなく、スタイルのいい女の先生が立っていた。


「みんなすわったかな。」

間をおいて、女の先生は自己紹介を始めた。


「みなさんおはようございます。」
その先生と思われる女の人が話し始めると、クラスがいつになく静かになり、その女の先生に釘付けになった。

「この度、このクラスの担任と英語を担当することになった、望月 茉莉紗もちづき まりさと申します。」
黒板に名前をかいて、自己紹介を始めた。
「前任の渡辺先生は、夏休み中に山登りをして両足を折ってしまったそうなので、2学期、3学期は私、望月がこのクラスを担当します。」

キレイな先生に釘付けだった生徒全員(唯以外)は、「山登りをして両足を」のところで、全員(唯以外)笑っていた。


「はい、みんな静かにー。HR始めまーす。」

いつもは太い声の渡辺先生の授業に飽き飽きしていた男子生徒も、外見のこともプラスされてか、やっぱりいつになくやる気だった。
キレイな上に担当が英語ということも、生徒達のやる気を増していた。



やる気が満ちている教室には、空気感の違う女子生徒が一人。

その生徒、窓側の席の唯は、窓の外を見てこんなことを考えていた。


望月ってどっかで聞いたことある…。


あの人もどっかであったことある気がするし…






ボーっとしている唯を見つけた望月先生は、教室全体に聞こえるような声で、唯に笑顔でこう言った。




「窓の外をみるのもいいけど、先生の話も聞いてね、野中唯さん。」







えっ…








今、私の名前…








私、名乗ってないのに













なんで、知っているのかな……?















































授業の途中、みんなは静かにしていたけど、先生が一度廊下に出たことで少しざわついた。

「あー、やっと来たわ。みんなー注目〜!」
廊下に出て数秒たつと、教室の外に誰かいるのか、その誰かに話しかけながら、望月先生はみんなの視線を集めた。

「今日からこのクラスで一緒に学ぶことになった転入生です。」

教室に入ってきた転入生の男の子は背が平均より少し高くて、静かそうな男の子。

「さぁ、自己紹介。」
望月先生がその男の子に自己紹介をするように促がすと、

黒板に字を書いて話した。


「佐藤日向です。」


さ…とう……










…ひなた!?!?


「日向!?」

びっくりしたあまり、無意識で、唯は席を立って叫んでいた。


その叫びに周りの生徒もびっくりして唯のことをじっとみていたが、しだいに笑いが広がった。


「野中さーん、びっくりするのはわかるけど、席はたたないようにー」

「はぃ。すみません…。」


恥ずかしー。なんで立っちゃったんだろ…。



でも、同じ名前って…


ありえないでしょ!?




唯の幼馴染ではない、転入生の佐藤日向はボヤーっと突っ立っていた。







『唯ちゃんはその人が大好きだったんだね。』

朝、芙実に言われたことを思い出して、また顔が赤くなっていた。




「私、日向のこと、…好きなのかなぁ。」


唯がそうつぶやくと、前に立っている日向の方が反応した。



⇒To Be Continued...

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