ジュエルプリンセスShinig 第22話 別れ、そして | |
作者: 夏姫 みの 2009年08月31日(月) 10時13分55秒公開 ID:bkWoewa3Plc | |
――次の日 空港に叶氣達は見送りに行った。 「もう、お別れだね」 叶氣は寂しげな顔をする。皆も寂しげな顔をする。 「大丈夫。 秀が言う。 「ええ。頑張ってくださいですわ」 「お体にはお気をつけて」 「 それぞれ皆、お別れの言葉を秀に言う。その時、秀が何かに気づいたような顔をした。 「陽くん、負けないから」 「……?」 秀が陽にボソッと言う。 「 「へっ……?」 その瞬間、秀は叶氣に頬にキスをした。 「あ」 「な……っ!!」 「キャッ!!」 皆それぞれの反応だ。叶氣は放心状態だった。ただただ立ち尽くすだけだけで、いっぱいらしい。 「プリンセ…いや、叶氣さん」 「あ、え、は、はい……」 叶氣は顔を真っ赤にする。まるでトマトみたいだ。秀は真剣に、そんな叶氣を見つめる。そして 「僕は君が好きです」 叶氣はこう思っていた。 あ、えと……なんで私? ここここここここ告白まで……。っていうか、感情をいつも出さない秀くんが、私にって……。 「ということで陽くん、負けないから」 「あ、ああ」 陽は頭が真っ白だった。 「秀ーーー!!! 早く行かないと飛行機、乗れるのに間に合わないよー!!」 「あ、お父さん。じゃあ、僕はもう行きます。では と言い残した時 「秀くん!!」 くるっと秀くんは振り返る。 「まっ、また会おうね!! あと…… ありがとう!!」 叶氣は大声で言った。まるで、ドラマのエキストラみたいに人が振り返る。 その時の秀は、いつもは全く顔に出ないのに、最高の笑みを見せた。そして、最後に行ってしまった。 空港の屋上に叶氣達は見送るために行った。 そして、秀をのせた飛行機に手を振った。 「秀、いい思い出はできた?」 「……うん」 秀は、飛行機内で一枚の写真を懐かしむように見た。写真には、叶氣、陽、桃奈、有紀――そして自分がいた。 秀は写真につぶやいた。 叶氣も 「また……会えるといいね」 空につぶやいた。 この夏、一番の思い出が生徒会の心に残ったのだった。 おわり |
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