これCry Lovers 第15楽章 偽善の愛だとしても
作者: なぁび   2009年09月06日(日) 23時00分53秒公開   ID:sw0xlSukK4E
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 「な、なぜ私だというんだね? 証拠はどこに?」



 「簡単ですよ。貴方のカバンの中に…これが入ってましたから」

 「は、針金…?」

 「これを使えば密室を作ることなんて、簡単なんですよ。それに、なんでわざわざ殴って殺したりしたんです? それって自ら後から密室を作りましたと言っているようなものでしょう?」




 そこから瑠姫は、台本を捨てた。




 「教えてあげますよ。トリックをね!」









 

 本当の、事故現場にいるような錯覚さえしてきた。

 
 きちんと筋も通っている。台本がなくても、台本と同じことをしゃべっている。演じている。






 (新人、とは言え彼女なかなかですよ)


 (彼女なら、任せてもきっと大丈夫ですよ!)










 「君は、最高の役者だ。君に任せて、狂いはない」
 「あとはラブシーンですね。予定だとキスシーンも入る予定なので」

 演技を終えてすがすがしい気分に浸っていた瑠姫だったが、一気にそれが覚めた。

 「キス、シーン?」

 「えぇ、最近有名な一谷いちたにくんとですよ。そこまでしなきゃ盛り上がりませんから」

 正直、瑠姫は嫌だった。

 本当に好きな人ともしてないのに。ましてやこんなところで、大勢に見られながらキスするなんて。




 ――そ、んなの…。




 「じゃあそういうことで。あと台本、覚えて来て下さいね」




 ――嫌だ。








⇒To Be Continued...

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