これCry Lovers 第12楽章 本命を捨てて
作者: なぁび   2009年09月04日(金) 18時22分45秒公開   ID:sw0xlSukK4E
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   *おまけー。



 「「なんでこいつとやんなきゃいけないんだよ…」」


 案の定、負けたのは梗樺&隼人。

 「まーいいじゃん。3センチ残せばいいんだし、お菓子食べれるし!」
 「お前はそこかよ」

 呑気に言う緋月に頼智が突っ込む。

 「そ、そうだよな! 3センチ残せばいいんだよな!」
 「お、おぅよ。…別にキスしろってわけじゃないし!」

 まるで初々しいカップルのように端を二人はくわえる。二人ともしっかり目を閉じて、ゆーっくりゆっくり食べ進める。

 「やっぱり事故ってちゅーって件が面白いよねー」
 「そうですよねー…」


 「…渚に悪魔の角としっぽが見える…」


 慎重に食べ進める二人の後ろ。そっと渚が忍び寄る。



 「…やっぱり、テンプレ通りじゃないとね」

 くふふ、と不敵な笑みを浮かべ、渚は躊躇いもなく梗樺の背中を――押した。今日の渚は悪魔だ。

 もちろん、不意のことで二人は慌ててバランスを崩す。そして運悪く唇が重なった。



 ここで悪魔がもう一人。

 
 「…っしゃあ! 激写成功!」

 その様子をケータイに収めたのは、瑠姫。


 被害者の二人はというと、背中を押された梗樺はなんとか足を踏ん張り、倒れそうな隼人の胸ぐらをつかんだ。

 「…ぐ、苦ぢい…」

 「ちょ、なんか今背中…」

 「おめでとう、梗樺。ファーストキッス、終わっちゃったね」

 嬉しそうに言う瑠姫の手には、ケータイ――しかも梗樺と隼人がキスをしているちょうどその瞬間が映し出されていた。

 「ちょ、え、おい!」

 驚きのあまり梗樺は隼人を掴んでいる手を離した。床に思いっきり頭をぶつけた隼人は、床をのたうちまわる。

 「い、いでー! ちょ、頭…!」
 「よっくもあたしの初めてを…奪ってくれたね! こんな場所で!」

 それにさらに梗樺の蹴りも加わり、隼人はたまったもんではない。



 「うふ、大成功ね♪」


 嬉しそうにほほ笑む渚を見て、ここにいる全員が、



 (…自分じゃなくてよかった)


 と思っているのはまず間違いない。





 「え? 李玖先輩とならどこででも構いませんけど?」
 「…誰がするか!」









⇒To Be Continued...

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