Let'play! 生徒会組曲 こばなしげきじょう
作者: なぁび   2009年08月06日(木) 23時48分45秒公開   ID:sw0xlSukK4E
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 お姫様プリンセスは泣き上戸。 〜甘い○○にご用心?〜







 生徒会室。

 「みなさん、差し入れにチョコを持って参りました」

 今日は夕依が差し入れにチョコを持って来てくれました。この甘い罠が、悲劇(?)への始まりだとは知らずに。

 「わーありがとう♪」
 「やった、お菓子だぁ」

 早速みんなチョコに手を伸ばす。

 「おいしいね♪どこのチョコなの?」
 「これなら何個でも行けそう…」
 「おい、空食い過ぎんなよ。あくまでも会長は皆にと買って来たものなんだし!」

 そんな中、奏多だけは臭いをかいだだけで食べようとはしない。チョコを机の上に置き、また仕事へと戻る。

 「あれ、奏多くん、食べないの? 甘いもの好きじゃないの?」
 「いや、たしかに甘いものは好きではないんだが…それよりこれ、酒入ってるじゃん?

 奏多の言う通り。夕依が持って来たのは、ウイスキーボンボン。中に洋酒入り。

 「あ、ご、ごめんなさい…」
 「別に。謝ることじゃないだろ」




 「でもさーこれで酔う人とかいないよな!」

 空が本日10個目あたりのウイスキーボンボンを食べながら言った。

 「うん、ないない! どんだけ酒弱いの! って感じ〜」

 そういうものは、意外に身近にいるものなのである。

 「あ、れ? どうしたの、奏実…具合でも悪いの?」

 ふと横に目を向けてみるとウイスキーボンボン片手に机に突っ伏している者が約1名。奏実だ。夕人は心配そうに駆け寄る。

 「保健室、行く?」
 「…ひぃ〜っく…」

 『へ?』

 おもむろに奏実が顔を上げた。顔は――――真っ赤だ。一体何があったんだろうか。

 「もしかしてこいつ、酔っ払ってんじゃねーの?!」
 「はぁ? たかが洋酒入りのチョコで?!」

 空の言う通りかもしれない。

 「と、とりあえず保健室行った方いいよな? …おーい、奏実、保健室行く…」

 空が奏実に触れた時だった。

 「…ひっく、そ、空が…空が叩いたっ! 私何にもしてないのに空が叩いたぁ〜!」
 「…は?」

 いわゆる泣き上戸というやつである。

 「ね、私悪くないよね? ね?」

 奏実は夕人に泣きつく。もちろん、夕人に免疫などまだついているわけでもなく。



 ぷっしゅ―――――――ッッ!!

 「あ〜あ〜…奏実…」
 「私悪くないもん! 私じゃないもん…ひぃっく…」

 この状況に(いろんな意味で)耐えられないのが奏多。

 「夕依? 今後一切原材料名もしくはその製品を製造している工場でアルコール成分を取り扱っている製品は持ち込み禁止だ! 分かったか!」
 「す、すみませんですぅ…」



 …泣き上戸なお姫様プリンセスにご注意を!







⇒To Be Continued...

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