愛という名の正義の果てに 〜森の館に潜む秘密〜
作者: なぁび   2009年06月03日(水) 21時51分38秒公開   ID:te6yfYFg2XA
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 中へ入ってみると、桃奈が想像していたよりも広く、またすっきりと片付いていた。
 誰かが定期的にここを掃除でもしているのだろうか
 それほど、洋館の中はきれいだった。 
 近くにあった火のついている燭台を手に桃奈は目の前の階段へと進む。





 2階 生徒会専用寮 談話室 会議室 ↑





 階段の手すりにあった表記には、そう書いてあった。

 「生徒会専用の、寮なんて、あったのかしら…?」

 1階を後回しにし、桃奈は2階へと昇る階段へ足をかけた。
 足を乗せた途端、階段がギイィィ…と壊れそうなほどに軋む。

 「な、なんだかこの階段、壊れそうですわ…」

 慎重に慎重に桃奈は階段を上った。
 息をするのも忘れるほど、神経を集中していた。
 そして、やっと最後の1段を登り終えた時、桃奈は安心して足の力が抜けた。

 「はぁぁ…」

 辺りを見回してみると、近くに1枚の肖像画があることに桃奈は気付いた。

 「あら、このモデルさん…」

 なぜかこの肖像画のモデルに桃奈は親近感がわいた。
 亜麻色の髪が、下の方でゆるやかな巻き毛になっていて、誰もがはっとするような凛としたブルーアイ…。

 近づいてよく見ると、その肖像画の下に



 「宝石の姫様ジュエルプリンセス 草――…」



 と書いてあった。
 名前はかすれていて読めなかったが、宝石の姫様――すなわちジュエルプリンセス――この絵のモデルだろうか。


 「きれいな方ですわ…」

 桃奈はしばらくその絵を眺めていた。





⇒To Be Continued...

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