Dragon Killer PAGE 4:配属班任命書
作者: ちびハチ公   2012年07月05日(木) 20時34分04秒公開   ID:E6J2.hBM/gE
 集中訓練後、図書特殊部隊新隊員である宮元良二等図書士は、二日間の休日を与えられた。
 休日二日目の朝、宮元は玄関の郵便受けを確認した。朝は宮元担当、夜は同室者担当と二人で決めてある。いつもはダイレクトメール程度しか入っていない。しかし、今日は謎の白い封書があった。
 その封書には、切手が無い。
 同室者に極秘連絡事項でもあるのだろうか、と首を傾げながら踵を返した。
 部屋に戻った宮元は郵便をテーブルに広げ、仕分けを始める。同室者宛のものは本人のベッドの上に置き、自分宛のものはテーブルに残す。
 仕分けてみると、謎の封書は宮元宛だった。
 恐る恐るカッターナイフの刃で封書を開く。そこに入っていたのは一枚の白い紙だった。三つ折りになってる。そっと開くと、機械的な文字が二行連なっていた。一行目には「配属班任命書」と綴られている。

 宮元良二等図書士を堂上班に任命する。

 やっとか。宮元は深く溜息をついた。
 特殊部隊で配属班任命書が送られたのは、過去を見ても宮元だけである。
 本来は集中訓練前に伝えられる、と以前郁から聞いた。宮元がその時知っていたのは、堂上班・青木班・安田班の三班のうちどれかに自分が入る事だけだった。
 宮元の配属される班が決まるのがこれほど遅くなった原因は、宮元自身らしい。宮元の能力を堂上以外の班長達は異常なほど高く買い、宮元を我が班にと争奪戦を繰り広げた。一ヵ月半に渡って繰り広げられた争奪戦の結果が堂上班配属、という訳だ。
 そういえば、堂上班は明日から図書館業務で書庫整理が仕事だ。
 分類復習しないと堂上一正たちの足を引っ張る。宮元は慌てて机の上に置いていた図書手帳を開いた。
■作者からのメッセージ
宮元が呆れても仕方ありません、特殊部隊の方々は三ヶ月も宮元争奪戦を繰り広げたんですから。それだけ小さな宮元が可愛いんでしょう。

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