舞波学園活動記外伝〜下書きver〜
作者: レイド   2009年10月28日(水) 23時38分20秒公開   ID:YynBrr2ofCI
「皆で仲良くテニスをやりましょうね?うふふ〜」


「野球はいいぞ!男のロマンだぁ!」


「ふっ僕みたいになりたければ、演劇部をお勧めするよ」


まともな部活紹介はないのか?と、疑問に思いたくもなる
今、行われているのは新入生のための部活紹介である
ここ舞波学園では毎年恒例の・・・まあ何処の学校もそうだと思うが
いわゆる新しく入ってきた新一年生を部活に入ってもらうための部活紹介である
しかし、聞いてるといろんな部活があるなあと思う
気になったのは実戦部、何と戦うと言うのだ、柔道や剣道とかは解るけど、実戦部って・・・部活紹介なんか


「世界にはびこる悪を、我々で撃ち滅ぼそう」


だった
世界にはびこる悪と言われてもな・・・誰が悪になってると言うんだ
色々気になる所だが、入る気なんか全然ないので、あえて無視する事にした
結局、部活紹介が終わり、何の部活に入ろうか悩んでいると、後ろから声がした

「貴方、新入生よね?」

「そうだけど」
声かけられたので、振り向くと、すんげ〜美少女がそこにいた。男だったらすぐ
に愛の告白をしそうな感じの美少女である。制服の色が違うので俺の一個上の学年だと思われる


「貴方、入る部活は決めた?」

「いや、まだだけど・・・」


「なら話が早いわ、ここに入部しなさい、はいこれ決定だから」


そう言って俺に一枚の紙切れをつきつける。紙切れを見てみると
「部活動参加申し込み書」と書かれている
部活動の勧誘だなと思ったが、さっきこの女は決定だからと言った。
「ちょっと待て、まだ何の部活か聞いてないぞ」


「はい、あとはクラスと名前書いてね、あと得意な事もね?いい?解った?」


人の話を全然聞いていないし、しかもいつのまにか彼女の頭には
俺が入る事が必然になっているみたいである
「だから人の話聞けって、入るって一言も言ってないぞ」


「いいじゃない、なんか入りたい部活でもあったの?」


「いや別に無いけど」


「だったらいいじゃない、この学園は必ず何か部活に入らないといけないからね?
私たちの所に来ない?」


そう言って部活動の勧誘を進めてくる彼女
かなり強引な感じもするのだが、俺にとっては入ろうと思っていた部活は無かったのでこの部活でもいいかなと、一瞬思ってしまった


「今なら入った特典として、私のキスをプレゼント、どう?」


いきなり何を言い出すんだこの女は?入ると言ったらホントにしてくれるのか?
とも妄想してしまったじゃないか、責任とってくれ


「はい、ありがとね」

「あ・・・」
彼女はご機嫌な表情をしていたどうやら
俺は無意識のうちにクラスと名前と趣味を紙に書いていたらしい。


「へえ〜有坂雄一君ね、じゃあユウって呼ぶわね?」


「それはいいけど、特典を」
俺がそう言うと、彼女はこう言った

「あれ?冗談で言ったつもりだけなんだけど?もしかして本気にした?」


本気にしたから、書いちゃったじゃないか、俺の妄想した時間は何だったんだ


「でも書いちゃったから、取り消しは出来ないわよちゃんと部室に来るのよ?OK?」

「OKと言われても、それに何の部活かまだ解ってないぞ」


「それは来てから、教えるわ
あっちなみに活動日は今日の放課後からだから、ちゃんと来るのよ?解った?」


解ったと言われてもな?はいそうですかとすぐに
納得出来ないんだけどな?それにさぼったっていいんじゃないのか?


「あっ言い忘れてたわ、私は斎藤由奈
よろしくね、一応私の方が先輩だから由奈先輩と言うように、解った?ユウ」

「了解・・・」


「何だるそうに返事してるのよ?こーんな可愛い私から話かけてやってるんだから
嬉しいでしょ?」


そりゃ嬉しいさ、見た目は美少女だからな?
けど性格がちょっとおかしいと思ってしまったから、溜め息もつきたくなるぞ。


「じゃ、私は教室に戻るから、じゃね、ユウ」


由奈先輩はそう言って、俺の側から去っていった
こうして俺の部活は決まってしまった結局何をやるか聞いてなかったな
しかも何処で活動するかも教えて貰ってないぞ
でもって放課後、帰り支度をしている俺に話しかけてくる奴がいた
奴の名は三坂誠二、俺の昔からの悪友である


「よっ帰りにゲーセンよらないか?いつものアレやろうぜ?」


三坂が言ういつものアレと言うのは
最近そのゲーセンに導入した対戦型格闘ゲームの事である
最初はあまり興味なかったが三坂に誘われてやったら、はまってしまった代物でもある


「お前との決着、今、同点なんだぜ?」


そうなのだ、今の三坂との対戦成績の結果は
20勝20敗なのである、つまりお互いの腕前は互角って事である。
「そうだな・・・」
俺は悩んだ、今こいつとゲーセンに行ったら、当然部活には出られない
まあ元々行く気なんて全然無かったけどな?
よし、決めた。俺は、選択肢を決めたので三坂にこう言った
「よっしゃ、だったら相手してやるぜ」


「決まりだな、じゃあ早速行こうぜ?」


三坂がそう言った後、がらっと教室の扉が開く
そこにいたのは腕を組んで怒った顔の由奈先輩がいた
由奈先輩は教室を見渡した後、俺の姿を見つけたらしく
近寄ってこう叫んだ。


「何やってんのよ!ユウ、放課後来なさいって言ったでしょ!ほらさっさと来るの!」


そう言って、俺の腕を掴むとずるずると引きずるように連れてかれていた
それを見ててぽかーんとしていた三坂はと言うと


「どうやら今日は無理そうだな?あと、その美少女紹介してくれよ〜」

そんな事をほざいていた。そんな事を言ってるんだったら今の状況を何とかしてくれ
多分今の由奈先輩の行動によって、色々な噂がたったんだろうな・・・と、俺は思っていた。



「さあここよ?」

由奈先輩に強制連行されてたどり着いた場所は
校舎三階にある一つの部屋にたどり着く。中に入ってまず驚く事があった
「なんでこんなに服が?」
その部屋にあったのは、数十種類のコスチューム、軍服にナース服にメイド服、
ここはコスプレ大会か?と思わせる程である、一体何がしたいんだと考えてしまう


「さあこの部活にようこそ、ユウ」


「ようこそって、無理矢理連れてきたくせに、それにここは何部なんだ?」


「ここは自由部よ」


「自由部?」
はて?いままでに聞いた事のない部活だが、一体何をする部活なんだ?


「ここは、部長が何をやるか発表して、それを部員全員で行動するのよ
しかも毎回やることが違うって訳、解った?」


「だから自由部ってか?それにしても他の部員が見えないんだけど?」


「まだ来てないみたいね?もう少し待ちましょう」


そう言って五分後、部屋に二人やって来た
一人は背が低くて童顔でとても男とは思えないような男で
もう一人はポニーテールで笑顔の似合いそうな美人であった。


「やっと来たわね、紹介するわね?新しくこの部活に入った
有坂雄一君よ、皆、自己紹介するように」


「あっじゃあ僕からしますね、僕は風祭真、よろしくね」

「私は、荻原美保、よろしく〜」


二人の自己紹介も終わって、俺は気がついた事がある
そう部長は誰かと言う事だ。考えても解らなかったので由奈先輩に聞いてみた
「ところで・・・部長って誰だ?」


「誰って・・・私よ?」


は?それを聞いてマジで驚いたね、だって普通は三年生が部長になるものだと思っていたし。

「さてと、とりあえず部員全員揃ったわね?では今日の活動をするので皆私についてくるように、以上!」


ついてくるようにってな・・・ここでやるんじゃないのか、ここは部室だぞ
それに部員が俺を含めて四人しかいないのもどうかしてる
これじゃあ同好会と同じだと俺は、由奈先輩の後を追いながら、そう考えていた。



「さあついたわよ」


「ここは・・・」
ついてこいと言われて、到着した場所は、本当は今日三坂と行く予定だった、ゲーセンに到着したのである。


「今日はここですか」

「近場でよかったです・・・」


近場でよかったって事は、部活動の為に遠くへ行ったと言うのだろうか?真相はまだ闇のままである。


「今日のやることは、ゲーセンバトル
新メンバーとの友好を深める為のよ?そして、今日やる台はこれ」


由奈先輩は、そう言ってとある台を指差す。その台は
俺が三坂といつもバトルしている「トリックファイト」であった


「さあまずじゃんけんでパートナーを決めましょう」


そう言って、四人でジャンケンをする。そして俺のパートナーになったのは


「よろしくね?」


「はい」
俺のパートナーになったのは、萩原さんであった


「これでパートナーは決まったから、早速バトルよ?さあ最初に戦うのはどっち?」



由奈先輩がそう言うので、俺は萩原さんと相談して、先攻後攻を決めたのであった


「最初は、美保と真ね?さあバトル開始よ」


由奈先輩がそう言うと、萩原さんは笑顔で席に座ってキャラを選んでいる
どうやらこういうゲーム好きそうである

「行くわよ?真、手加減しないからね」

「そう言うの?、僕だって負けないよ」

なんか会話を聞いてると、仲よさそうに見えるな・・・どういう関係か由奈先輩に聞いてみるか
「あの二人って、どういう関係?」


「美保と真の事?幼馴染みよ、家も近いそうよ?」


そう話ているうちに、勝負はついていた。どうやら風祭の勝ちみたいである


「負けちゃった、あとはよろしくね?ユウ君、真なんかコテンパンにしちゃいなさい」


「あっはい」
俺はそう言って、さっきまで萩原さんが座っていた席に着く


「今度は君のようだね?僕は手加減しないよ?」


「俺だってしませんよ」
俺はそう言うと、いつも三沢との対決の時に使っているキャラで対抗した
そして何とか俺の勝利になったのだが


「も〜駄目駄目ね?まあ見てなさい」


由奈先輩はそう言って、風祭を払い除けて席に座る


「さあ勝負よ?ユウ」


由奈先輩はそう言って、いきなり俺でも知らなかった隠しキャラで俺に挑んできた
ちょっと待て、何で隠しキャラの出し方を由奈先輩は知ってるんだ
もしかしてかなりのゲーマーなのでは?とか思うぞ?


「結果発表〜私の勝ちね」


由奈先輩はそう言っている、そりゃ確かに優勝でいいと思う
だって反撃を与える暇もなく攻撃してきたから、ほぼ秒殺じゃないか


「あ〜楽しかった、あっもうこんな時間ね?今日の活動は終わり、また明日ね」


由奈先輩は、そう言って帰ってしまった

「結局、部長がやりたかっただけなのかも」


「そうかもな・・・」少なくとも俺は、そう思っていた
こうして俺の新しい部活動が始まりを告げたのである
なんか最初から部活動の感じがしないけどな・・・
それから俺のおかしな部活動記が始まった


■作者からのメッセージ
舞波の下書きのverです。これを書いてから本作舞波を書いています。

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