狂物語>本編1>ベタ過ぎる出会い
作者: ハル   2010年05月03日(月) 21時01分51秒公開   ID:m5M8TG0eh.A


舞台は差別社会。
軍が圧倒的な権力を持ち忌み嫌われ、奴隷が物のように遊ばれる時代。

それぞれの裏の事情。
誤解の歯車。
間違った世の中・・・。

そんな世界を生き抜く人間達。

暗い過去の持ち主。
偉大な過去の持ち主。
隠された秘密の持ち主。

それぞれが行き交う
狂いの物語。









3年前。

軍の最高司令官が原因不明の病で病死した。

そこの養子と見られる少年がまだ見つかっていない。




とある商店街。

眼鏡をかけた少女が買い物かごを腕に下げ、

色々な店を回っている。


人参・・・。

ジャガイモ・・・。


材料を買い、少女がホッとした瞬間・・・。


角から誰かが走ってきた。

全力疾走らしく勢い良く少女はぶつかった。


「あっ・・・!!」


少女の買い物かごから材料が落ちる。


「うわぁっ!ごめんなさい!」


急いで拾うぶつかってきた少年。

足を痛めた少女。


「あ・・・。」


少女が声を漏らす。

少年はそれに気づいた。


「どうかしました?」


「・・・歩けない・・かも。」


「ええっ!?ごめんなさい!お礼に送ります!」


「お礼!?使い方間違ってるわ!?」


少年は少女の手を握る。


「歩けます?」


「ええ。大丈夫・・・です。」


少年は買い物かごを代わりに持った。

少年は少女に笑いかける。


「家はどこですか?」


「・・・・・ん。」


「はい?」


「・・・軍です・・・・・。」


「・・・・へ?」


(・・・あ、結構お偉いさんでした?)


軍は今この国で一番権力がある。

そこに就職できる人は限られている。

実力がある者。

それか、家に世界的特権(権力)がある人。

少年は疑問に思ったことがあった。


「あの・・・。失礼ですが、どうやって入ったんですか?」


少女は辺りを慎重に見回す。


「・・・あなたにだけ教えますよ。」


少女はクスリと笑った。


「何ていうか・・・軍であって軍として国民に見られてないっていうか・・・。」


少年は頭にハテナを浮かべた。


「どういう・・・??」


「あのですね・・・。軍の中でも特別な部隊があるんです。過去も何も関係ない場所。しかるべき実力さえあれば、入れる場所。」


「えーっと・・・・。もっと疑問です。あなたはしかるべき実力があるんですか?とてもそうには見えないんですけど・・・・。」


また少女はクスリと笑う。


「よく言われます。でも私、結構強いんですよ。」


少女の笑顔は太陽のような温かさがあった。

少年はポケーッと少女の笑顔を見ていた。


「かわいい・・・・。」


「はい?」


「いえ・・・。」


少年は少女に一目惚れしてしまった。


(これが・・・恋!?)←何の話だよ


「あのっ!」


「はい?」


「俺も軍に入りたいって思ってるんです!」


(何言ってんだ?俺は・・・。)


「そうなんですか!?じゃあ送ってくれたお礼に見学します?付き添いますよ。」


「えっと・・・お願いします!」


少年は少女に頭を下げた。

少女は笑っている。

少年は後悔と歓喜の入り混じったような難しい顔をしながら笑った。


「そういえば、あなた名前は?」


少女は変わらぬ笑顔で言う。

少年は素早く顔を上げた。


「ダリアです!ちなみに15歳です!」


「私はリリ。リリ・アルよ。17歳です。」


「よろしくお願いします!」


「よろしくね。」


少年 ダリアは目を輝かせた。

少女 リリはその眼差しには気づかない。


気がつくと軍の建物に着いていた。


「ありがとう。今から時間ある?入るつもりだったら今でもいいけど。」


「そうですね。ぜひお願いします!」


ダリアはこうして軍に入ることになってしまった。

リリはやはり気づかない。

明るい日常。←これって日常??

人の過去など誰も知らない。

他人がたとえどうであろうと今を生きることには変わりないのだから・・・。





いつも誰かが自分を他人だと見ているのだろうか?




結局は繋がるのだ。

何もかも・・・。



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