ジュエルプリンセス+2 交換日記。 | |
作者: 夏姫 みの [Home] 2010年04月26日(月) 19時44分01秒公開 ID:bkWoewa3Plc | |
あたしは 部屋の掃除してたら、交換日記をあたしは見つけた。その交換日記は、お兄ちゃんとあたしの小さいときの唯一の思い出となった日記。毎日サボらず、いわば課題のようにやっていた日記だ。 「何? 読書中だから、静かにして」 お兄ちゃんの五十嵐 「みてっ!! みてっ!! 交換日記!!!!」 あたしは交換日記をお兄ちゃんに見せる。 「そんなこともあったね」 お兄ちゃんは棒読みで言う。棒読みって……大切な思い出なのにねー。酷いなぁ。 「何その棒読み!! 詩羽たんが見つけたから、感謝しなさいよねっ!」 「別に探してって頼んだわけじゃない」 お兄ちゃんは本を読みながら言う。 「もーっ!! お兄ちゃんの書いた文章、この場で大きな声で読み上げるよ!!」 「……別にいいけど? 英語もまともに読めない詩羽に読むと、読者の人たちわからなくなるし」 くっ……英語だけは読めるんだからね!! まあいいや。あたしは大きな声で言おう。 「えっとー。April 7 Sonny. It was an entrance ceremony today. And it was considerably asked you a question by a girl.」 「詩羽!!!!」 お兄ちゃんは言う。もうあたしは、その時のお兄ちゃんが素直すぎて 「あはははははははははははははっ!!!!!! サイコー!!!! あはははははは!!!!!!」 と笑った。それからあたしが読み上げた文を日本語に訳すと 「日本語訳4月7日 晴れ。今日は入学式でした。そして女の子に、かなり質問されました」 と、いう文章になる。お兄ちゃん最高。なんか笑えた。女の子っていう言葉になぜか知らんけど吹いた。 「そういや詩羽、英語って読めてるけどこれは一体……?」 「え、読めるんですって。簡単ですって。これ常識じゃないの? お兄ちゃんJKだよ」 あたしはきっぱり言う。だって、これ常識なんでないの? 読めて当たり前でしょ? お兄ちゃん。 「え、漢字は読めないくせに英語だけ…」 「あ、まだ書いてある。日本語に訳して読むと「女の子とは仲良くなれた気がします。ちなみにそんなことより、勉強がうまくできるかすごく不安です。来年からは詩羽と一緒に学校へ行けるので、それを楽しみにしています」。入学当初から、来年の話までしてたんだね」 お兄ちゃんは呆然とする。いや、もうJKだって。あたしだってLA生まれなんだよ。父が日本人だけど。でも、お兄ちゃんと同じなんだよ。英語は大丈夫なんだよ? 「詩羽が英語を読めるなんて……僕はすごく驚いた。変なもの食べた?」 「だから元から読めますって!!」 「でも本編内では「読めない」って、言ってたくせに」 「あれはフリだよフリ」 「…………」 お兄ちゃんは言葉が出なくなってしまったようだ。ちかたないっ!! だって衝撃の事実が今、明かされたもんね。 「えーでも懐かしいと思わない? すっごく懐かしいよ。小学生のときの二人の交換日記」 「親には秘密だったし」 そう。親には秘密であたしたちはこの交換日記をやっていた。結果はバレなかったよ。親から見れば、ただのノートにしか見えなかったから。でもその中身は今日の出来事だとか、二人だけの秘密だとかいろいろ書いてるけどね。 「まあねー。スリルもあわせて楽しかったけど、お兄ちゃんが日本に行ったときからやってないもん。この交換日記」 お兄ちゃんが日本に行ったとき、あの後はもうやってない。あたしが小学五年生のときで終わった。でも交換日記を、またやってみたい気持ちもある。 「でも今はもう交換日記はいい。でもこんなによく書いたと思う」 「10冊は超えてる。でもどこにあった?」 「ふるーいふるーいダンボールの中にあった。スネー○みたいに隠れてたお」 「詩羽、なぜゲームの話を……」 「でも懐かしいなぁ。こうやってみると。お兄ちゃんが毎日欠かさずとなりの家まで持ってきた。そしておばあちゃんがこのノートを持っていった。まあよくやったもんだ」 あたしは昔の自分とお兄ちゃんに感心する。 「でも、詩羽。ちゃんと元に戻して」 「わかってる。一生の思い出だもんね」 あたしはこの思い出を大切にしようと思う。一生の思い出として。 「でも、またできるならやりたい」 お兄ちゃんは言う。あたしも 「そうだね!!」 と返す。 ……交換日記は大切な二人の思い出。 あたしは両手でぎゅっとノートを抱いて、そう思った。 Fin ⇒To Be Continued... |
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