しょうらい の ゆめ
作者: 神田 凪   2009年05月06日(水) 19時08分43秒公開   ID:Fpk3UqE6X6I











「確かに今は100年に一度の不況といわれるほど大変な時期だ。望む職業に就く事なんてできないかも知れない。だけど、だからといって俺は諦めて欲しくないんだ。人生何が起こるか分からない、なんてよく言うだろう? 実際俺だって教師になるなんて思ってもいなかったさ。だけど今年でめでたく勤務20年だ。今まで嫌なことも辞めたいと思ったこともあった。だけど結局は教師ってのが俺は好きなんだなと思った。つまりは何が言いたいとかは、俺はお前達生徒が平凡でいいけれど幸せになってほしい。卒業しようが結婚して子供が出来ようがお前達はずっと俺の生徒だ。分かったか? 分かってくれるよな? じゃあ、ここまで聞いて、もう一度問おう。佐伯譲君。君の進路は何かな?


「はい、先生。コンビニの店員です」




都会から少し離れた、割と有名な進学校のクラスで事件はおこった。





 しょうらい の ゆめ




クラスには約20人の生徒がおり、皆が皆呆然とその様子を見守っていた。
クラスはいわゆる成績の良い生徒を集めたSクラスと呼ばれるもので、その名の通り全員が有名大学や大手企業の進路を目指していた。

はずだった。


「いやいやいや、先生が悪かった。お前は冗談が嫌いだと思っていたが、実はそんなにおちゃめさんだったとは。ああ、言わなくても良い、分かってる先生は分かっているぞ!! 前半部分の涙の訴えを丸無視してそんな事言うはずないもんな? では佐伯君、我が校始まって以来の秀才と言われ東大も夢ではないと言われた佐伯君、佐伯様!! もう一度言ってください!」

「嫌だな、先生。俺は何度も言っているじゃないですか。コンビニの店員でいずれは店長を目指すつもりです。あは、何か店長なんて大きな事言って俺ってばもしなれなかったら馬鹿だな」

「いや、君は店長より社長とかなれそうなタイプだから。はたまた医者とか弁護士とかなれることが出来る人だからね!」

「やっぱり、ここはセ○ンイ○ブンが良いでしょうか? しかしフ○ミリーマート・・・いや○ーソンだって、いやでも他に、」

「佐伯君、先生の話聞いてた?」

「ええ、素晴らしい人生の語り感動しました。いかに先生が俺達生徒を大事にしてくれているか心に染みました」


にっこりと、高校三年生佐伯謙は笑った。
学校始まって以来の天才と呼ばれ、毎回全国模試では上位。スポーツも万能でカリスマ性も充分。性格も穏やかで、生徒に慕われ今期生徒会長でもある。

まさに神様に愛されている存在。

誰もが彼は頂点の人生を送るだろうと思っていた。
教師なんかウキウキで、特に担任は自分の受け持った生徒の将来が楽しみで仕方がなかった。

で、そういえばきちんと将来の夢を聞いていなかったな、と軽い気持ちで聞いてみたら・・・。


「佐伯、先生はコンビニが悪いなんて言っていない。言ってはいないんだが、」

「ええ、まったく素晴らしいものです。24時間開いているなんてどんな商売根性でしょうか。しかも多様な種類の物が売られているとは脱帽です」

「うん。別にそこまで言った覚えはないんだけどね。ってか聞いて!! 佐伯、君にはもっと他の道があると思うんだ」

「ああ、先生もそう思いますか? 実は俺も最近そう思っていたんです」

「佐伯! 分かってくれたか!」


「やっぱり、ニートでしょうか。何だが最近働いたら負けのような気がして・・・」


「こうちょーう!! 校長先生ー!! 俺じゃこいつを止められません! ちょっ誰か校長とPTA会長呼んでくれー!」








しょうらいのゆめ。さんねんにくみ、さえきゆずる。

ぼくのしょうらいのゆめは、






−その後、校長とPTA会長、それと県のお偉いさんまで巻き込んだらしい。


  
■作者からのメッセージ
GWも今日で終わりですね。本当はいっぱい更新しようと思っていて二つぐらい書いていたんですが、途中で納得できず書き終わることが出来ませんでした。機会があったら投稿しようと思います。あと、連載も書かなきゃ。

この話は、ついさっき思いついて思いつくまま書いた物です。
なので少し表現のおかしい所や文字の打ち間違いがあるかもしれませんが、その時は教えてください。
さて、佐伯君の将来はどうなるでしょうか。どうしてここまで佐伯君がコンビニにこだわるのか。それは彼が小学校の頃、塾の帰りでものすごくお腹が空いて倒れそうな時、夜遅くにコンビニがあって美味しい肉まんを買えたからというしょうもない裏設定がありました。書けなかったけど。その時のコンビニは彼にとって神様のように思えたでしょう。

さて、ここまで読んで頂ありがとうございました。

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