わたしは孤独主義者です U
作者: 瀬野心亜   2009年10月24日(土) 19時35分03秒公開   ID:AYghYnNlqWU

「・・・っふ、あぁあ・・・」


―――ああ、やっぱり体にこたえてしまっている

さっきから欠伸も止まらないし、足も重い

・・・参ったな、どうしようか


「・・・さん、小向さん!」


「はい、どうかしましたか?」


「顔、赤いんじゃない? また調子悪いの?」


――此方は担任の沢岡弓さわおかゆみ先生


「大丈夫?」


「・・・・・・さぁ・・・」


―――まずい、くらくらしてきた


「保健室、行かなくて平気?」


「・・・はい、だいじょ・・・」


―――目の前が白くなった




ガッタ―――――ン!!!





「きゃぁぁ、ちょっ、小向さん!?」


―――ああ、また・・・

デジャビュ・・・




――そう、わたしの体は弱い


―――小さいころから、運動会なんかに参加することなく人生を送ってきた



わたしの傍にあり、

常に倫理を追い求め、

わたしを支えて、正しい道に導いてくれた存在は、



勉強だけだったのだ




―――親はわたしを捨てた


――父親も母親も不倫していたのだ


――結果、わたしは、母方の祖母の家に引き取られることとなったのである



――――母親は、つい先月、自殺したらしい


相手に裏切られた悲しみによるものらしかった



くだらない


そんなものを追い求めるほうが

   
可笑しいんだ






■作者からのメッセージ
孤高な少女は、ただひとつ、教養を信じて生きてきた
教養は彼女を裏切らないから―――――

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