ジュエルプリンセス shinig 第12話 パワーアップ
作者: 夏姫 みの  [Home]   2009年07月11日(土) 10時21分30秒公開   ID:I3pQytENAQc
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 そして野外学習は無事に終了し、私達はいつもの書類整理や会議の日常に戻っていきました。



「えっと……今日はー。って、誰が後ろから抱きしめてるの?」


「オレだけど」


「ベッタリしないで。仕事に集中できないよ。ほら、ようも仕事があるでしょ? 桃奈ももなちゃんと一緒にやってきて。早く終わるとおもうし」


「わかった」


ふぅ……やっと離れた。あまりベッタリされるのも恥ずかしいよ。まったく。


姫様プリンセス


ん? この声は


しゅうくん。どしたの?」


「ココ、わからない」


「ああ! そこなら……」




し、秀も叶氣かなきに接近してる……のか?


「あれーっ? 人前ではツンデレ男の日向くん。ヤキモチー?」


「う、うっさい!! 桃奈」


「ツンデレ」とは…一言余計だ!


「やっぱツンデレですわねー。もっと人前でも、姫様にかまっている感じみたいに、素直になればいいですのに」


はーっ……。桃奈も野外学習以来、こりないな。


「ふーん。姫様が五十嵐くんにとられるのが嫌? 貴方のものにしたいの?」


「そ、そんなこと…」


「うっふふふふっ!!! わかりやすいですわねー日向ひなたくんも。有紀ゆうきと同じですわ」


ゆ、有紀と同じにするなーーーー!!!! っていっても、あれ? 桃奈には好きな人とかいないのか?


「あ、あのさ、桃奈はその…好きな人とかいるのか?」


その言葉に桃奈は驚いてしまった。そして、寂しげな顔をした。


「好きな人は…いますわ。でも、私はその人が幸せであればうれしいのです。好きな人が笑顔で輝いてくれているだけでも、私はうれしいのですわ


 このとき、オレは思った。桃奈は大人なんだなーと改めて感心した。オレも、あいつが傍にいてくれたり笑顔で輝いてくれるだけでも……うれしい


「だから、日向くんも姫様を自分のものにするように、頑張ってくださいね」


桃奈はそういって、ポンッとオレの右肩を軽く叩いた。


「えっ……ちょ! 桃奈!!」


結局、こんなオチかよ。まっ、桃奈らしいや。


「陽、仕事終わったから帰ろう!」


後ろから明るい声が聞こえてくる。


「もう?」


「そうだよ」


「そっか、なら帰ろう」


「うん」




そして、私達は生徒会室に行ってかばんをとり、玄関に出た。




「夕焼けがキレイだなあ」


「そうだ……なっ!」


陽が「だ」と「な」の間を少しあけて抱きしめた。ちょ、ちょっと! ま、また後ろから??


「さ、最近よくベッタリするね。私に」


「だって、叶氣がとられるのが嫌だから」


「陽にとっては、そうだけど…」


「何? 恥ずかしいの?」


「そうだよ! 恥ずかしいよ、人前で」


「ふぅん」



もうなんだろう。陽が中2のときよりも、性格がめちゃくちゃ変わったきがする……。



「じゃあな」


「う、うん……」




まあ、なんと言うか。疲れたよ。うん。


「姫様」


今度はな…って!!


「ゆ、有紀くんっ?!」


め、珍しいー!! 帰りに有紀くんが話しかけてくるなんて。


「お話したいことが」


「う、ん。何?」


今日はどうしたのかなー?


「ひなたく…じゃなくて、陽くんのこと、どう思ってます?」


「うーん……。まあ、両思いで大切な人かな?」


あ、改めて言うと恥ずかしいよ。


「そう、ですか。ありがとうございます♪ では」


「え? あ、うん」


有紀くんは笑顔で走って行っちゃった。本当は…何を聞きたかったのだろうと思うけどね。





「パワーアップ」





これからどんな力が使えるか楽しみだな。




                                             つづく

おまけページ キャラプロフィールパート8!


⇒To Be Continued...

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