ジュエルプリンセスFlash 第9話 貴方が敵だとしても僕は
作者: 夏姫 みの  [Home]   2009年11月05日(木) 20時15分19秒公開   ID:bkWoewa3Plc
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 ――ここは、普通の人は行けない場所。どんなに頑張ったって、行けない。そんな場所。

桃奈ももな……さん。貴方は私の思いのまま。その黒い宝石が砕けるまではね」
「……」

鳴課なるかは不気味な笑みを見せた。



「さあ、桃奈さん。扉を開けて」



鳴課がそう言った瞬間、桃奈はブツブツと呪文を唱えた。そして扉が開く。

「お願い、桃奈さん」
「わかりました」

 桃奈は鳴課の背中を押す。鳴課は光に包まれて消えた。桃奈は、自分が通っている学校へ向かった。





















☆      ☆      ☆










「どうして……姉さん……?」
有紀ゆうきくん……」
「有紀……」

 桃奈ももなの部屋は、悲しみに包まれていた。ベットには黒薔薇が20本、これは何を意味してるのか……。

「まず、この黒薔薇…どっかで見たことがあるような……」





その時だった。






「それは鳴課なるかのしわざよ!!」







 どこかしら聞き覚えのある声がした。こっちに、だんだん近づいてくる。この口調はもしかして、もしかすると…





由梨ゆりちゃん!!」





 叶氣かなきはキラキラと輝く瞳で言った。由梨は、宙から舞い降りるように桃奈の部屋に降り立った。


「あんたも男なんだから、涙ぐらい拭きなさいよ。こ、これ……」


由梨は有紀にハンカチを渡した。有紀は受け取って


「ありがとうございます」


とほんわかな笑顔で言う。


「別に。男の子が泣いてる顔なんて、見たくないから」

由梨は、ぷいっと叶氣の方へ向いた。


「とりあえず、これは鳴課のしわざよ」
「な、鳴課ちゃんの?! 嘘……どうして……?」
「どうしてかはわからない。でも」






由梨はようの方へ向いた。







「彼ならわかる気がするわ。ね? そうでしょ。日向 陽ひなた よう







「え?! 陽、何か知ってるの?!」

叶氣は驚く。

「ちょっ……由梨!」
「隠し事はいけないわよ。ちょうど話すチャンスなんじゃない?」
「何があったの? 教えて……お願いだから……」






叶氣は今にでも泣きそうな目で言う。陽は……















































「ごめん……」




「どうして?! どうして何も教えてくれないの……?」
「今の叶氣に話したって、ただ混乱するだけだから。もう少し後にしたほうがいい」

陽は真剣な瞳で言う。



「……それは違うと思うけど? 第一、姫様プリンセスが知りたがってる。それに姫様は過去の記憶を失ってるわ」
「ちょっ……過去の記憶を失ったって自覚して…」



「してるよ。由梨ちゃんが教えてくれたから」



叶氣はうつむいて言う。


「お前、いつ教えたんだ?」
「アンタが保健室で哀瑠あいるさんから姫様を守った次の日よ」
「……そうか」





あの時のこと。見てたから、わかるのよ……と由梨は思った。



「別に? あたしは言いたいことを言っただけよ。それに「話したらダメ」とか、そんな決まりなかったもの」




「お願い……少しでもいいから……」
「……わかった。でも」
「でも……?」



























「今は言わない。また、明かす日が来るから」











「……えっ?」







「陽くん。確かにそうですけど……今言ったほうが早いですよ?」

有紀は言う。

「確かにそうだけどな、今は言えない。明かす日が来る。絶対に」


由梨は笑みを見せる。

「まあ、確信してるのね。姫様、今は我慢して。……私も確信してるわ」
「え……」


そのときだった。


「……!!」
「有紀くん?!」

 有紀は何かを感じ取った。その「何か」は、とても邪悪なものだった。

「まさか! 桃奈ももなの居場所が……?」

陽は驚く。

「わかったんです。姉さんの居場所が」
「案内して! このままだと、お姉さんが危ないわ!」

「はい!」




⇒To Be Continued...

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