ジュエルプリンセスFlash 第9話 貴方が敵だとしても僕は | |
作者: 夏姫 みの [Home] 2009年11月05日(木) 20時15分19秒公開 ID:bkWoewa3Plc | |
――ここは、普通の人は行けない場所。どんなに頑張ったって、行けない。そんな場所。 「 「……」 「さあ、桃奈さん。扉を開けて」 鳴課がそう言った瞬間、桃奈はブツブツと呪文を唱えた。そして扉が開く。 「お願い、桃奈さん」 「わかりました」 桃奈は鳴課の背中を押す。鳴課は光に包まれて消えた。桃奈は、自分が通っている学校へ向かった。 ☆ ☆ ☆ 「どうして……姉さん……?」 「 「有紀……」 「まず、この黒薔薇…どっかで見たことがあるような……」 その時だった。 「それは どこかしら聞き覚えのある声がした。こっちに、だんだん近づいてくる。この口調はもしかして、もしかすると… 「 「あんたも男なんだから、涙ぐらい拭きなさいよ。こ、これ……」 由梨は有紀にハンカチを渡した。有紀は受け取って 「ありがとうございます」 とほんわかな笑顔で言う。 「別に。男の子が泣いてる顔なんて、見たくないから」 由梨は、ぷいっと叶氣の方へ向いた。 「とりあえず、これは鳴課のしわざよ」 「な、鳴課ちゃんの?! 嘘……どうして……?」 「どうしてかはわからない。でも」 由梨は 「彼ならわかる気がするわ。ね? そうでしょ。 「え?! 陽、何か知ってるの?!」 叶氣は驚く。 「ちょっ……由梨!」 「隠し事はいけないわよ。ちょうど話すチャンスなんじゃない?」 「何があったの? 教えて……お願いだから……」 叶氣は今にでも泣きそうな目で言う。陽は…… 「ごめん……」 「どうして?! どうして何も教えてくれないの……?」 「今の叶氣に話したって、ただ混乱するだけだから。もう少し後にしたほうがいい」 陽は真剣な瞳で言う。 「……それは違うと思うけど? 第一、 「ちょっ……過去の記憶を失ったって自覚して…」 「してるよ。由梨ちゃんが教えてくれたから」 叶氣はうつむいて言う。 「お前、いつ教えたんだ?」 「アンタが保健室で 「……そうか」 あの時のこと。見てたから、わかるのよ……と由梨は思った。 「別に? あたしは言いたいことを言っただけよ。それに「話したらダメ」とか、そんな決まりなかったもの」 「お願い……少しでもいいから……」 「……わかった。でも」 「でも……?」 「今は言わない。また、明かす日が来るから」 「……えっ?」 「陽くん。確かにそうですけど……今言ったほうが早いですよ?」 有紀は言う。 「確かにそうだけどな、今は言えない。明かす日が来る。絶対に」 由梨は笑みを見せる。 「まあ、確信してるのね。姫様、今は我慢して。……私も確信してるわ」 「え……」 そのときだった。 「……!!」 「有紀くん?!」 有紀は何かを感じ取った。その「何か」は、とても邪悪なものだった。 「まさか! 陽は驚く。 「わかったんです。姉さんの居場所が」 「案内して! このままだと、お姉さんが危ないわ!」 「はい!」 ⇒To Be Continued... |
|
■一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集 |