友のために麗羽は生きる(ⅩⅡ)
作者: 美月   2010年01月17日(日) 19時09分57秒公開   ID:ov6RKaAr3rc




「うっ・・・うっ・・・・・。」



まだ執事らしき男は泣いている




麗羽はしゃがみ

男に聞いた



「あなたは雇われたの?それとも雇わせてもらったの?」



男は顔を上げる


「・・・・雇わせていただいております。」




「・・・ふぅん。あのおばさんも優しいな~。(ボソッ)」




「あ。まだ私の名前を名乗っていませんでしたね。」



「あ、黒城さんでしたっけ?」





「はい!私の名前は・・・  「空海(くうかい)さん!」




廊下から走ってくるのは10歳くらいの子供



「はわわわわわわわ!椛(もみじ)様!?いかがなさいましたか!!?」




そして・・・・


椛と呼ばれた子供は男の前で止まる



「おばさんが空海さんに泊まる部屋を聞けと言っておりました!」


愛嬌のある無邪気な笑顔で男の服を引っ張る





「はははははいぃ・・・!では、私は!」



男は麗羽達に頭を下げる







「いってらっしゃい。黒城 空海さん。」



麗羽は静かに言った

























そして夜



「ここにはいつまで泊まるの?旅人さん。」



「桜です。」

「麗羽です。」

「一人です。」



3人は同時に答えた




「そうですね~・・・。お邪魔になるのでしたら今からでも。」



桜はいじわるそうな顔で言う




そうするとおばさんは高く笑った



「誰もそんなこと言っちゃいないわよ!・・・そうね。3日間は泊まっていかない?」




「3日間!?」


麗羽の声が裏返った


麗羽は貴族の家に3日間泊まるということが考えられなかった



「そう。3日間。そんでね・・・パーティにどう?」



おばさんはニヤッと笑う







「「「・・・・・・・・・・・・・。」」」




3人は沈黙に包まれる



「すんません。お金・・・・・・。」


「ただよ♪」



「何か企んでません?」


「そんなはず・・・・・ないじゃない?」




「【今の間】と、その【?】は何!?」







「・・・・パーティって。誰かの誕生日なんですか?」



麗羽は小さい声で言った




「ああ・・・・違うわ。ただの気まぐれパーティよ。」



おばさんはウィンクした






「衣装は私と黒城で用意するわ。ダンスの練習でもしておくのね♪」


















「「「ダンスの練習??」」」



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