友のために麗羽は生きる(X)
作者: 美月   2010年01月08日(金) 19時47分03秒公開   ID:Ee3yYWMigJ6



「今日もか・・・・・・。」




ここ何日も麗羽(れいう)は学院を休んでいる







今は放課後・・・



「鈴風(りんか)ちゃーん、麗羽さんと一緒じゃないんですか〜?」


通学路を歩いているとき後ろからポニーテールの女の子が来た



鈴風の後輩で第3回生の李乃(りの)である



「李乃・・・・・。」



鈴風は元気がなさそうに振り返る


鈴風と李乃はこの前、学院の玄関で会い、なんだかんだで友達になった




「実はね、麗羽・・・このごろ学院に来ないのよ。」


「えぇ〜?どうしてですか〜?」



「・・・わからないの。」



鈴風はドンヨリする



「・・・・・女の子の悩みじゃないですか〜?」


李乃はキョトンと言う



「女の子の悩み?」


鈴風は希望がさしたような目で李乃を見つめる


「例えば・・・・恋?とか〜。」



























(・・・・・・恋??)















麗羽に合わない言葉bPだった



「・・・いや、ないないない。ってかそれで休まないよね?」



鈴風は首をすごく振る


「あ〜・・・。じゃあ何でしょうか?いじめ?」









(・・・・いじめ?)



「妬みとかでですよ〜。多分麗羽さんはいい人ですから鈴風ちゃんに喋らないんじゃないですか〜?」



(・・・まあ確かに妬みはあるんだろうけどね。)





「・・・・・。」


鈴風は決意した


(今日、麗羽の家に行ってみよう。)



























「こーんにーちはー!」


麗羽の(おばさんの)家に呼びかける



すると玄関のドアが開いた


おばさんだった


「あら、鈴風ちゃんじゃない。」


おばさんはあせったように言う



「あの・・・麗羽は?」



そう聞くとおばさんはうつむく



「実は・・・ここ何日も部屋から出てこなくてね。ご飯を部屋に前に置いておいたら食べていたんだけど、もう顔も出してないわ。」



おばさんは涙目になっていた



「あの、部屋に行ってみてもいいですか?」



「ええ。お願いするわ。」



























こんこん・・・


ドアをノックする



「麗羽ぅー!私だよ、鈴風ぁー!開けてぇー!」



そういうとドアがそっと開いた



「・・・・鈴・・・・・風・・・・・・・?」



出てきた麗羽は静かにそう言った


麗羽の髪は風呂に入っていないのかボサボサである



顔も何となく痩せた



いつもより長く感じられる前髪で暗く見える




「ここ何日間も学院に来ないからさ、来ちゃった!」



鈴風は笑顔を装った



「・・・・ありがとう。でも、今は一人になりたいの。」


麗羽は鈴風に背を向ける



「何があったの!?いじめ?それとも・・・・・・恋!?」




「・・・・!」





沈黙が流れる



「・・・・恋?」


麗羽は半笑いでヒクヒクしながら振り返る



「・・・違うの?」



鈴風はおそるおそる見つめる




するととんでもないものを鈴風は見た




「赤・・・・・。」


「え?」


「いや・・・・・。」





(目が赤い・・・・!?)



気のせいだと鈴風は思いたかった




「・・・じゃあ私、帰るね!」



鈴風は麗羽に手を振る



「今日はありがとう。」



麗羽も笑う


細まった目からは赤い色は見えなかった



鈴風は他に何も見ずに帰る



何かを信じていたかったから・・・・





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