友のために麗羽は生きる(T)
作者: 美月   2010年01月04日(月) 22時26分21秒公開   ID:Ee3yYWMigJ6


「勉強教えてくださーい。」




肩までの金髪の少女は長く美しい黒髪を2つにおさげにする少女にノートを見せる


「・・・・授業の分のノートは取った?」

「ばっちり。」


「・・・ちゃんと聞いてた?」

「ばっちり。」



「・・・それでも?」

「わかんなーい。」




黒髪の少女は席から立ち上がる

「いいよ。私がダメだって言うはずないじゃない。鈴風。」


金髪の少女は頭を押さえる

「たはは〜。だって一応、麗羽だって人間だよ?聞かなきゃ!」


麗羽は微笑む

「ありがとう、鈴風・・・。」




「・・・・・?」

鈴風は不思議に思った


「なんでありがとうなの?」


「え・・・?」




「だってさ、今の私の発言の中にお礼を言われるようなことってあった?」


「・・・。」


「ねえ?」


「・・・そうだね。ないね。」



麗羽はまた微笑んだ





今は休み時間


廊下に出てみると壁には色々なポスターや新聞部の新聞があった



その中の一つには・・・・






     一昨日、反逆の罪で××××××が蘭雷の滝で裁きを受けた。
             罪状:貴族に奴隷が反逆





「・・・・・・。」



「どうしたの?麗羽。」


麗羽は我を取り戻したように鈴風を見る




「なんでもないよ。・・・ただ、ひどいなって。」


「ん〜?」


鈴風もその張り紙を見た



麗羽は静かに言う

「仕方ないよね。私達、平民にとっては貴族と陛下の命令は絶対なんだから。」



「・・・・・。」


鈴風は麗羽の肩に手を置く



「私達より苦しい人もいるんだよね・・・・・。」


「・・・・うん。」



二人、その休み時間はずっと暗い気持ちでいた





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