でこ・れーしょんっ!
作者: 夏姫 みの  [Home]   2010年10月11日(月) 14時30分47秒公開   ID:CWWU7A72x.k
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「水野くんシャーペン素敵!!」
「キラキラだなー」
「スワロフスキーだからね。アクリルストーンより輝きがいいんだ」

 私の最大の敵とも言っていいぐらいの男、水野みずの せい。あいつもデコが好きで、よく私の邪魔というかなんというか……。そしてなぜか無駄にパーフェクトな奴。顔もいい、頭もいい、スタイル抜群、優しい、スポーツができる……など、たくさんある。




正直言わせてもらうけど私は、あまり星に近づきたくない。





だが、しかし。





なぜか向こうから私に付きまとうという事実。




「欄のシャーペン可愛いね」
「……どうも」
「冷たいな、欄は。昔からずっと一緒にいた友達なのに」
「黙ってくれるかな」


 なぜなら今、私が最も超超超超超超ちょーーーーーーーーーーーウザッな人物である。
 星とは小学生のときからずっと一緒にいたんだけども、なぜか毎回のように同じクラス。あいつは結構なお金持ちだから、きっとそーゆー権力で私と一緒のクラスに毎回してもらってるとか思うけど。偶然なら気持ちが悪い。
 星のことは別に好きでもないし、嫌いでもない。まあどっちの立場でもないってことかな。普通の友達。
 キーンコーンカーンコーン……とチャイムが鳴る。ちょうどいいところに鳴ったよ、チャイム!! 同時に先生も教室に入ってくる。


「わぁーっ! 先生のシャーペンも可愛い!!」
スイーツデコ。やってみたんだ。欄さんの話を聞いていたら、やりたくなって」
「欄すごい! 先生までも誘っちゃうなんて!!」
「別に誘って無いけど……」


 デコにはいろんな種類がある。その中でも今はスイーツデコが人気。ランキングで言うとNo.1にランクインするぐらい。
 どんなのかっていうと、立体的なホイップクリームのパーツとか、ケーキやクッキーの形をしたパーツを盛って盛って盛りまくる感じ。
 でも盛りすぎるとデコった物が買ったときより重くなることも。でもその分、可愛くて目立ったり。


「はいはい。とりあえず朝の挨拶……の前にお知らせがあります」


 「えーなになに?」「お知らせ?」「そんなに重要なのかな?」という声が飛び交う。私もお知らせってなんだろう? とかは思っていた。急なことで少し驚いてる。



「来月、川上かわうえさんが転校することになりました」



 クラスはザワザワする。名前までいうと、川上 さきさんっていうんだけどね。今日は欠席。なんか用事があるらしいとのことだ。もしかして引越しの準備とかで……なんかそう思うとスッキリしたかも。
 転校ってことは、うちのクラスは今三十人ぐらい。つまり……二十九人になるってことか……。てか、大変だなぁ。転校って。


「なのでみんな、仲良くして最後は笑顔で見送ってくださいねー」


 急な話なので、やはりクラスのザワザワは収まらない。でも川上さんって、全然話してこないっていうか……存在感が薄いっていうか……。あまり言ってはダメだけど。


「はーい日直、朝の挨拶の号令!」


という先生の大きな声で朝のHRは始まった。





⇒To Be Continued...

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