ミスティックシンフォニー外伝3〜律子の絵本〜
作者: 零堵   2011年01月13日(木) 03時36分51秒公開   ID:YynBrr2ofCI
それは、ある日のこと
「出来たわ」
「何ができたの?律子ちゃん」
学校の教室内、出来たと言ったのは
絵本を書くことが趣味の篠崎律子であった
律子が出来たと言ったので、それを聞いた碧川早苗が
律子に問いただしている
「あのね?前に、私、絵本を書いてるって言ったでしょ?
それがついに完成したのよ?はあ・・・長かったわ」
「そうなんだ〜おめでとう〜律子ちゃん
ところで・・・何の絵本だっけ?」
「忘れたの?ほら、前に一緒に考えあった
見習い小人と大きな駄目巨人よ?」
「あ、あ〜・・・そうだっけ・・・私、あの討論でかなり疲れたのは
覚えてるかなあ・・・」
「私は、全然疲れなかったわよ?とりあえず完成したから
最初の読者は早苗ちゃんに読んでくれない?出来れば感想おねがいね?」
そう言って、律子は早苗に絵本を渡す
「う、うん、分かった、じゃあ読んでみるね?」
そう言って、早苗は、絵本を広げて読み始めたのでした

〜見習い小人と大きな駄目巨人〜

昔々、ある所にちいさなちいさな小人がいました
その小人は何をやっても失敗続き、いつも失敗ばかりしているので
他の小人から、「おまえは何をやっても駄目だなあ、だから見習いだな?」と
言われたのでした
そんな見習い小人がある日、噂で大きいくせに駄目な奴がいると風の噂で聞きました
見習い小人は、それがどんなに駄目なのか気になって仕方がありません
あまりにも気になるので、その巨人に会いに行く事にしたのでした
そして・・・見習い小人は、大きくせに駄目な奴がここにいるよと
親切な人に教えられ、その駄目な奴の場所にたどり着きました
たどり着いて驚いたのは、その大きさです
見習い小人の数倍、いや数百倍はある大きい巨人でした
大きい巨人は、ちいさなちいさな小人に気がつき、こう言いました
「お前は小さい奴だな、この俺様に何の用だ?」と
見習い小人は、こう言いました
「お前が駄目な奴と噂で聞いた、どのぐらい駄目な奴なのか、見せてもらおうか?」と
それを聞いて、巨人は怒りました
「生意気な奴だな?踏んづけてやる!」
そう言って、巨人は小人を踏んづけようとします
小人は、それに気がついて逃げようとしましたが、あっさりとつぶされてしまいました
「はっはっは、どうだ、参ったか」
巨人はそう言います
小人はどうなったのかと言うと
「何だ・・・?たいしたことないな」
小人は、巨人が踏んづけているのに、なぜかピンピンしています
「何!?」
「それがお前の力か、僕の力を見せてやる」
小人は、巨人の足を軽々と持ち上げて、投げ飛ばしてしまいました
投げ飛ばされた巨人はこう言います
「ごめんなさい、ごめんなさい、見栄を張っていただけなんです
ほんとうは力が全然なくて、喧嘩も勝った事がないんです・・・」
巨人はそう言いました
「そうか・・・じゃあ、強くなりたいか?」
「はい、強くなりたいです、強くしてくれるならなんだってします」
「分かった、僕についてこい」
小人はこう言いました
こうして、小人は巨人を鍛える事にしました
巨人は、そのおかげか強くなっていって、誰からもこいつは駄目な奴だな?と言われなくなりました
見習い小人も、「お前にはそんな才能があったのか、今まで馬鹿にしてすまなかった」と他の仲間から言われました
こうして、見習い小人と大きな駄目巨人は、まわりから駄目な奴だとは言われなくなりましたとさ・・・めでたしめでたし


「どう?」
「う〜ん、なんか凄いね・・・この設定・・・」
「そうかしら?子供にはうけるんじゃない?」
「そうかなあ・・・でも、私は、面白いと思ったよ?律子ちゃん」
「そう?ありがと、じゃあまた、書いたら早苗ちゃんに見せるわね?」
そう言って、律子は早苗のそばから去っていったのでした・・・

■作者からのメッセージ
零堵です
予告通りに律子の絵本を番外編に書いてみました
本篇の方もよろしくお願いいたします〜

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