千羽鶴 -一章 作戦会議-(薄桜鬼二次創作 平千 SSL) | |
作者: 林檎頭巾 2011年11月01日(火) 17時26分41秒公開 ID:CoM.9X5NVEE | |
「お見舞い……ですか。ありきたりではないもの……例えば千羽鶴はどうでしょうか?時間はかかりますけど。それで、雪村君はどのくらい入院する予定なのかはわかりますか?」 「具体的にはわかんねーけど、少し長くなりそう、って言ってたな。千羽鶴か。いい案だな!ありがとな、山崎君。千鶴の見舞いはそれにするよ」 「それなら俺も手伝います。一人で折るのは大変でしょうから」 「……俺も手伝おう」 黙って話を聞いていた斎藤が口を挟んだ。 「ちょっと面倒臭いけど、僕も手伝うよ」 面倒臭い、と言いつつも沖田はにこにこと笑っている。 こうして、4人は千羽鶴を折ることに決めたのだった。 時刻は夜。陽はすっかり沈み、外は闇に包まれている。 「胸、もう痛くない?」 「はい、大丈夫です」 心配そうに訊ねる看護師さんに私は少し微笑みながら言った。今は薬のお陰で痛みは治まっている。一安心、と言いたいところだけど、そうはいかない。 「それなら良かったわ。近いうちに、外科の先生に診てもらいましょうか。それで、手術の日程も決めましょう。じゃあ、ゆっくり休むのよ?千鶴ちゃん」 「はい……」 私はそれだけ答えて布団を被った。 私の病気は薬で治らない訳でもない。でも、早く治すには手術を受ける他ないのだとか。勿論、私は早く治して平助君に会いたいから手術を受けることに決めた。 こんなことを、平助君に言える訳がない。でも、彼と会って話しをしたい。 「退院するまで、我慢するしかないよね……」 そう呟き、私は目を閉じる。愛しい彼の名前を呼んでから。 |
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