錨 2
作者: Florrie   2011年07月13日(水) 09時14分24秒公開   ID:4CIi0q99SDQ
 キリハは、暗部において優秀な諜報部員として、
里に貴重な情報をもたらすことにかけてはずば抜けていた。
…ただ、一度里を出るとなかなか戻ってこない、という欠点はあった。
 それでも、定期的に里へ戻ってはきちんと報告をあげていたキリハが、
ここ最近放浪期間が長くなってきていた。
戦争で、愛着を持っていた者たちが亡くなったり、失踪したり――。
そのことで、キリハは里への愛着すら失ったのではないか――。
…そう、暗部の上層部が危惧し始めたのだ。
彼女は優秀な忍だが、それ故に奔放すぎる振る舞いは里にとっては
両刃の剣となり得る。
…上層部の考えは正しいだろう、とカカシも思った。
このままでは、彼らが強硬手段に訴えてでも、彼女の行動を諌めるだろ
ことも想像がつく。
 確かに、キリハには必要だと思った。
――遠くへ流れて行ってしまわないように、錨が。


――つづく。
■作者からのメッセージ
NARUTO。

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