カケラ -4-
作者: 砕華   2011年03月27日(日) 20時25分32秒公開   ID:A3HN7yGmZxA



『ンふっ(はあと)お肌すべすべねぇ〜』

『ほ〜んとっ!羨ましいわぁ、食べてしまいたいぐらいよぉ』

『いやん、あたしが先よんっ』



どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう!?


俺、人生最大のぴいいいいいいいいいいいいいいいいいんち!!!!!!
何か、え?頭上から素晴らしくおっさんの声が聞こえて来るんだが

その内容がおかしいんだが
俺のほっぺたとか太ももぷにぷにされてるんだが
やばいんだが
なんだこの状況は?


『あらぁ、起きてるのかしらん?』

『『『うふふ、びくびくしてる顔もかぁわいいっ』』』



ゾクッ
俺はまだ何も知りたくなぁあああああああああああああい!!!!!←



『...あぁん、レイド様がお越しになられたわ〜』

『えっ、__..朝は遅いんじゃなかったかしらぁ?』

『噓でしょ、もうこんなに近くn「っレイドぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」きゃんっ!!!』



ばんっ!!!!


ドアが荒々しく開いて、焦った表情でレイドが入って来た
若干涙目になっている事とか、OKAMAに囲まれてた事とかはこの際どうでもいい
今の俺にとっては、まさに天国と思われるレイドにしがみついて助けてもらおう
OKAMAを押しのけて、涙で歪んだ黒い影むかって飛びついた



「(おっし、これで俺の命は助かった!!!!!)」



あぁ、怖かった
実際はおっさんなのにそうやってサワサワすんじゃねぇよとか
今更毒づきたくなって来た
....つうか、なんか、レイドがぷるぷる震えてる気がするんだが
























....あれ、レイドってこんなに細かったっけ









『....っお前、...だ、誰に抱き着いているんだ?』








聞き覚えのある、棘のついた声



「......あーれー?レイドのハズなのにデュークの声がする?」

『はぁ)お前がしがみついているのは紛れもないデュークだ、我に抱き着くが良い(ボソっ

『き、さまぁ...っ!!慎みを持て!!!!!!!!!!』


ぎこちなく、そう、油が切れた機械の様にギギギギッと顔をあげると、
端正な顔立ちの、しかし素晴らしく眉間に皺の寄った青年と目が合った
あー、ごめんね、顔赤くしてまで怒らなくていいから、ね?
落ち着け。


んでもって

「っ、レイドぉおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!」

『いつから貴様はレイド様を呼び捨てにして良い事になっているのだ!?』

『良い、我がそうするように脅したのだ』


本物のレイドに突進した
けどデュークに肩をがっちり掴まれる
それを頑張って振りほどいて、どだだだだと走った
手を広げて歓迎してくれた広い胸に顔を埋めると、抱きしめてくれた

_____...あ、痛いよレイド、ちょっと締め過ぎかなぁ
ぎぶぎぶぎぶぎぶちょっとあ、やめて吐くっ!!!!


『本当にお前女か?顔が死んだドーウに似ているぞ』

「やめて、あれ本当美味しかったけどやめて」


ドーウっていうのは、この世界の食用魚で、昨日の晩飯に頂いた
...鯉にそっくりなんだよ、犬歯が異様に発達してたけどな
っつかあいつら歯ぁあんのか?


色々考え事をしていると、周りが見えなくなっていたらしい
気付けばこの部屋の空気が北極並みに冷えている
...寒ぃーんだけど


『...して、其方等。』


『『『ぎくっ)なんでしょうかレイド様?』』』


レイドの低い声が、OKAMA達の顔を強張らせる
もちろん俺の肩もびくりと跳ねた
それに気付いたのか、些か表情を和らげてくれた
なんでこんなに気を遣ってくれるのかが謎でしかたないけれど、
好意に甘えておく

タイミング良く、デュークの口が開いた
口元は笑っているけれど、目の奥が素晴らしく冷え冷えとしているのは
気のせい..じゃぁないな



『そうでしたね、レイド様。...どうして貴様等がシアの部屋に侵入しているのだ?』

「(いやお前、え?俺の名前普通に呼び捨てじゃん、いいのか?)」

『__..後でゆっっくりと話を聞くとしよう』


レイドが冷たく言い放つと、OKAMAらは小さな蚊の鳴くような声で
はい、と言った


部屋がギシリと揺れて、ドアから甲冑を着た厳つい騎士(?)が3人を抱えて出て行く
...片腕で3人抱えるって、すげえな
それを見届けたデュークは、俺を解放して笑った


『シア。あちらの部屋で服を着替えて来い』

「..あんたのあちらって、どちら?」


なんだかおうむ返しみたいだが、この他にも部屋は沢山あるのだ
指を指されたぐらいじゃわからないに決まっている
.....よなぁ?


『そうだな、お前は馬鹿であった。我が連れて行こう』

「馬鹿じゃねえし、阿呆なんだよ俺は」

『そういう屁理屈を言うのが馬鹿だと言っているのだ、さ』



手を差し伸べられた
普通の人間と変わらない形、されど
闇の住人だからか、幾分か青白く、血管の浮いた冷たい手に自分のを重ねる
きゅっと握られたそれは、なんだか心地よかった



ばしっ



「..お前今の所は感動のシーンd『私が連れて行きましょう』ったくよぉ!!!!」


空気読めよ馬鹿野郎!!
ちょっと微笑み合った所とか超友情ドラマのワンシーンじゃん!?
ほんっともう、焼きもち妬くなっつの


『レイド様のお手を煩わす真似は致しませぬ』

『_________..そうか、では後でな』


あ、そうか
レイドは仕事いっぱいありそうだしな(さっきのOKAMAとかとかとか)
デュークの判断が今のレイドに取っては一番良いのかもしれない
...さっすが補佐!!頭良いねぇ



...けど
上からチョップはねぇな。
俺の爪若干かけてたりするんだな、うん
痛ぇよ、本当
馬鹿野郎



『ほら、早く行くぞ』

「ほんっっとにデリカシー無いな」

『..お手をどうぞ、レディー』

「はぁ?キモイんだよ」


言ってやれば凄まじい勢いでデコピンされた
....血ぃ出て来たんだけど?



まぁいいかぁ。


■作者からのメッセージ
書き直しましたっ
流石にアレはちょっと...
やっぱりギャグ調ですね

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