ミスティックシンフォニー〜セカンド!〜最終幕〜
作者: 零堵   2011年03月08日(火) 00時53分21秒公開   ID:YynBrr2ofCI
フェイクレーダーを改造して、最後のフェイクがいると思われる場所に
晶達は、向かったのでした

〜フェイクがいると思われる場所〜
その場所は。山の頂上付近であり、あたり一面雪景色だが
そこにポツンと立っている者がいた
「早苗!」
「早苗さん!」
そこにいたのは、碧川早苗の姿をした者
しかし、色が黒色で表情が全く感じられないのでした
「やっぱり呼びかけても無理ですか・・・」
「姉さん、やっぱり完全憑依型のフェイクだから、早苗から分離させないと
いけないかも?」
「そうですね・・・晶、早苗と戦う事になりますが・・・いいですか?」
「・・・早苗が元に戻るなら、俺は覚悟を決めたぜ・・・」
「分かりました・・・、レイ、あのフェイク、確保するわよ!」
「了解!姉さん、じゃあこれを使うね!」
そう言って、レイは懐からロブから貰った空間遮断装置を発動させる
空間遮断装置にボタンがついていたので、それを押すと
山の周りの景色が灰色になり、ドーム状の大きな膜が出来たのでした
「一体、これは・・・」
「これは空間遮断装置、フェイクが使う時空移動や跳躍を遮断させる装置だよ
時間は三十分しか持たないから、その間に決着つけて!」
「了解、じゃあ・・・やるしかないか!ミスティックシンフォニー!」
そう晶が言うと、手に装着しているグローブが光りだして、晶の体を包み込む
光が終わると、胴着をつけた格好になっていた
「武器は使わないんですか?晶」
「ああ、早苗が怪我するかも知れないしな?だから素手で戦うぜ」
「そうですか・・・じゃあ、私はフェイクが分離した瞬間を
ミスティックシンフォニーを使います」
「ああ、そうしてくれ!」
そう言って、晶は早苗型フェイクに向かって突撃する
フェイクは晶を見たあと、黒い何かを発光させて、晶に向けて攻撃してきた
「おっと!あぶねえ!」
晶はそれをぎりぎり避けて拳を振るう
フェイクはその動きを読んで、浮かび上がって晶の攻撃を避けたのでした
「っちぃ!空に浮かび上がったか!ならこれだ!」
そう言って、ライトブーツの力を使って空に浮かび上がって追撃する
フェイクはその晶に向って、黒い針状の物を数十本飛ばしてきた
「危ない!ファイア!」
レイはその黒い針状の物を腰に装着している銃で撃ち落とす事に成功した
「早苗、目を覚ませ!」
そう言って、晶は拳を数発叩き込む
フェイクはそれを腕でガードするが、ガードしきれず一発お腹にヒットしたのでした
「・・・!」
拳を食らったフェイクは、吹っ飛んで地面に叩きつけられたが
すぐに起き上がって、黒っぽい何かを晶に向けて発射したのでした
その発射した物を地上からレイが、銃で撃ち落としました
そんな攻防が数分続き、ミスティがこう言いました
「晶、レイ、もうすぐタイムリミットの三十分になるわ!急いで!」
「しかし・・・どうすればいいんだ?」
「確かに・・・今のままじゃ、フェイク捕まえる事できそうにないしね・・・」
そう二人が話していると、ミスティはこう言いました
「あのフェイクが分離すればいいから・・・晶、いちかばちか気絶させてみて
もしかしたら、なんとかなるかも知れないわ!」
「他に方法なさそうだもんな・・・とりあえずやってみるぜ!」
そう言って、晶は素早くフェイクの後ろについて
「早苗、ごめんな!」
そう言って、頭に蹴りをぶちこむ
フェイクは、その攻撃を避けようと動いたが、間に合わず後頭部にもろに食らって
その衝撃で動きがにぶり、口から黒っぽい何かが出てきたのでした
「あれがフェイクの本体みたいだよ?姉さん!」
「判ってるわ!行くわよ!ミスティックフォース!」
ミスティがそう言うと、黒いフェイクのまわりの空間が歪みだして
その場から消滅したのでした
「これで最後のフェイクの確保完了です」
「やったね、姉さん」
「そうだ、早苗は!」
晶がそう言うと、早苗の色が元に戻り、気を失って上空にいたので
地面に落下しているのをすぐに発見して、晶が助けたのでした
そして・・・

「う・・・」
「気がついたか?早苗」
「あ・・・晶?」
「ああ、俺だぜ」
時間が経ったのか、空間遮断装置も晶の姿も元に戻っていたのでした
「一体・・・私、何してたの?」
「フェイクに操られてたんです」
「うん、結構大変だったかな・・・」
「・・・わ」
「わ?」
「私がいる!?なんで?私、双子だったの!?」
「あ〜早苗からしたらそうだよな・・・」
「そうですね、こんな姿をしてますが、私、ミスティです」
「ええっ?ミスティさん?」
「うん、そうだよ、姉さんだよ」
「早苗がいなくなったから、ミスティが早苗の代わりをしていたんだ」
「そうだったの・・・大変だったかな?」
「ええ・・・少しだけですが、ちょっと大変でした」
そう話していると、レイがこう言いました
「あ、晶と早苗?、そのフェイクレーダー返してもらうね?もう必要ないだろうし」
「そうだな・・・最後のフェイクって言ってたしな」
「そうだったね、じゃあはい」
そう言って、二人はフェイクレーダーをレイに渡す
「あ、ミスティグローブとライトブーツは返さなくていいの?」
「あ、確かにそうだな?これも返すのか?」
そう二人が言うと、ミスティはこう言いました
「それは二人にあげます、早苗にも晶にも迷惑かけたお詫びとしてです」
「いいの?姉さん」
「ええ・・・上には、私から言っておくわ」
「じゃあ僕が言う事はないよね、じゃあそろそろお別れかな」
「そうですね、早苗、晶、今までありがとうございました」
「もう会えないの?」
「この姿で会ったら、もし誰かに見つかったらやばいでしょう、今、私は
早苗の格好なので」
「あ、それもそうだよね・・・じゃあ、ほんとにお別れか・・・なんかさみしいな」
「そうですね、もしかしたら、遊びに来るかもしれないですが
その時に会いましょうね?」
「うん、そうだね、じゃあさようなら、元気でね」
「元気でな」
「お二人もお元気で、じゃあ、行くわよ?レイ」
「了解!ミスティックトラベル!」
そう言うと、早苗と晶の傍からぱっと、ミスティとレイは消えたのでした

「・・・終わったね?晶」
「そうだな・・・結構楽しかったな・・・」
「まあ、危ない事もあったけど、私もちょっとは楽しかったと思ってるよ・・・」
「じゃあ、帰るか?早苗」
「うん」
そう言って、二人は自分の家へと帰って行ったのでした

〜未来の世界〜
「事の顛末はこうなりました、隊長」
未来に戻ったミスティとレイは、隊長のレーベンに
活動報告を言っていたのでした
「そうか・・・、だからミスティがそんな姿になっているんだな?」
「はい、そうです」
「そうか、なら、元に戻す解除薬を渡す、ロブ、解除薬の用意だ」
「判りました」
そう言って、ロブは別室に行き、数分後
液体の入った瓶を持ってきたのでした
「解除薬を持ってきました」
「御苦労、さあ、これが解除薬だ、飲みたまえ」
「はい」
ロブから渡された解除薬をミスティは飲む
数分後、元の姿のミスティに戻ったのでした
「元に戻りました、隊長」
「うむ、ちなみにこの解除薬は物凄い貴重な薬だからな?代金は
三か月の給料から取るとする、まあ当分ただ働きだな?それでいいな」
「はい・・・」
「姉さん、僕がサポートするから、任せてね?」
「あ、それと現地の人にミスティグローブとライトブーツをそのままにしたんですけど、いいですよね?」
そうミスティが言うとレーベンは
「そうだな・・・まあ、いいだろ?別に問題はないだろう、今日は疲れただろう
二人とも、休んでいいぞ」
「は、了解しました」
そう言って、二人は家へと戻っていったのでした・・・

〜過去の時代〜

早苗が元に戻って次の日の学校
「おはよう〜」
早苗がそう言ってクラスに入り、席に着くと
「おはよう〜早苗ちゃん」
「おはよう・・・早苗さん」
篠崎律子と伊藤美理亜が話しかけて来ました
「昨日も言ったけど、言うんでしょ?」
「う、うん・・・」
「じゃあ、頑張ってね?私、応援してるから」
「私もです・・・早苗さん、頑張って下さい・・・」
「う、うん、頑張るね?」
そう言って、二人は早苗の傍から離れていったのでした
離れていく途中伊藤美理亜が小声で「元の早苗さんですね、良かった」と呟いていたのでした
そして放課後

「なんだよ、早苗」
品川晶は、早苗に「放課後話があるの・・・」と言われたので
放課後になって、早苗に話しかけた
「あのね・・・、はい、これ」
そう言って、早苗は晶に小さな箱を渡したのでした
「これは?」
「開けてみて?」
「あ、ああ」
晶がそう言って、箱を開けると、中にチョコレートが入っていたのでした
「チョコレート?」
「うん、バレンタインにはちょっと早いけど・・・」
「なんで俺に?」
「なんでって・・・じゃあ、はっきり言うね・・・
私、碧川早苗は、品川晶の事が好きです!晶は・・・私の事好き・・・?」
早苗が赤くなりながらそう聞くと
「ば〜か・・・そんなの決まってるだろ・・・?
俺、どこかに行く時、早苗しか誘ってないんだから気がつけよな?
それに、最後のフェイクに取りつかれた時、早苗を絶対助けるって思ってたんだぞ?好きだからな・・・」
「そっか・・・ありがとっ晶」
こうして、二人は恋人同士となったのでした・・・
そして・・・
〜数十年後〜

「これ読んであげるわね?」
小さな女の子に、母親らしき人がそう言いました
「この絵本?」
「そう、この絵本はね?私の大親友が描いた絵本なの
私がお話を少し提供した事もあったのよ」
「そうなの!?ママのお友達って凄いんだね〜?」
「ええ、じゃあ読んであげるわね?」
そう言って、母親らしき人は一冊の絵本を娘に読みあげる事にしました
その絵本のタイトルにはこう書かれてありました
〜ミスティックシンフォニー〜と・・・


〜fin〜

■作者からのメッセージ
零堵です。
ついにミスティックセカンド〜最終幕〜
いや〜初期から始って、かなり長かったですね、
ちなみに第一期が始ったのが、約一年前の4月ですから
十か月かかったって事ですね
また、番外編とか書くかもしれないですね
あと、新作も何か書くかもです
感想いつもくれたルーク様、ちびハチ公様、ありがとうございました〜

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