魔属となったボク〜第五話〜
作者: 零堵   2011年03月04日(金) 14時39分28秒公開   ID:LjOpF6jSo/I
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僕がマリオネットとなって数日が経過したある日。
僕の雇い主のユウリさんがこんな一言を言ったのでした。

「恵」

「はい、何でしょうか?」


「ちょっとここに行ってきてほしいの」


そう言って、ユウリさんは僕に一枚の紙切れを渡しました。
僕は内容を見て見ると「武器の店ローエン」と
書かれていて、その場所も書かれていました。


「武器の店、ローエン?」


「私の鎌がちょっと錆付いたらしくてね?
うまく使えそうにないのよ
そこで、恵に鎌を預けるから修理を頼めない?」


「そうなんですか?まあ、僕は構いませんよ」


「わかったわ、じゃあはいこれ」


ユウリさんはそう言って僕に、鎌を渡してくれました


「うわ!・・・重!一体何キロぐらいあるんですか?」


「大体十五キロぐらいかしら?結構軽いほうよ?これでも」


「そ、そうなんですか・・・(もっと重いのもあるんだ・・・)」


「じゃあ、恵、これ鎌の修理代ね、じゃあ頼んだわよ」


そう言って、ユウリさんは僕に見たことのないような硬貨を渡してくれました。



「あ、はい、分かりました、じゃあ行ってきます」


こうして僕は、ユウリさんの鎌の修理に旅立つことにしたのでした
そして数時間後

「ここ、ほんとに・・・日本・・・?」


僕が紙を頼りについた場所は、
どうみても普通の人々が歩き回っている場所ではなく
空には見たことないような生物
地上には絶滅したはずの恐竜がギャオーと鳴いていた。

「ほんとうにこんな場所に店なんか・・・あるのかな?」


僕はそう言って、探していると
ジャングルの密集地に一軒だけポツンとお店が見えました。

「あ、ここみたい・・・しかし・・・
こんな場所に店って・・・お客さん・・・来るのかな?」


僕はそう言って、中に入るといきなり


「かかったな!」


という声がしたと思ったら、いきなり地面にぽっかりと穴が開いたのでした


「な、落とし穴〜〜〜〜〜!しかも下がが暗くてよく見えない〜〜〜!」


こうして僕は、暗い穴のそこへまっさかに落ちていくのでした。
一方その頃


「あ、そういえばあそこの主人ってすごい用心深くて
店前に落とし穴とか罠を作ってたわね・・・・・・、ま、大丈夫でしょ」


ユウリは、そういってお茶をすすっているのでした




「これは珍しい・・・」

何か声が聞こえた
僕は、その声を聞いて目覚めて気がついた事があった
それはというと


「な、何で僕・・・縛られてるの?」


僕の体にぐるぐる巻きにロープと鎖が締め付けてあった
はっきり言ってやりすぎだと思うんだけど・・・


「お、気がついたようだな」


僕に話しかけてきたのは、白髪に髭があり
どうみても杖が必要な年齢の、お爺さんが
僕の事を珍しそうに眺めていた


「え〜と・・・何で僕、縛られてるの?」


「おお、話した!言語能力も完璧か!これは凄い!
何々ここはこうなっているのか」


そう言ってお爺さんは僕の体を隅々まで調べるらしく
ルーペを持ってたり何かノートに書き込んでいた
え〜とこの状況を一言で言うと、僕、観察されてる?

「あの・・・何してるんですか?」


「何ってお前さんの体を調べてるのだ」


「何で調べる必要が・・・?」


「そりゃお前が生きた人形だからだ」


「生きた人形?」


「本来なら人形と言うのは、人形に魂を入れないと動かないのだが
お前は、人形なのに言葉を話すではないか、しかも感情まであるという
一体お前の体はどうなってるか興味が沸いてな?だから調べてるのだ」


「そんな事言われても、僕は頼まれて来ただけなのに」


「頼まれてだと?誰にだ?」


「僕の雇い主のユウリさんから、鎌の修理にです」


「ユウリお嬢からか!そいつはすまなかった、すぐ戒めを解いてやる」


そう言って、お爺さんは僕を動けるようにしたのでした


「ありがとうございます、あの・・・貴方がローエンさん?」


「いかにも、ワシがローエン・グリズだ」


「じゃあ、ユウリさんから預かってた鎌とその代金です」


僕はローエンさんに鎌と硬貨を渡した
お爺さんは鎌を軽々と持ち上げると、マジマジと観察してこう言った


「うむ、確かにちょっと錆付いてるようじゃな、よし」


お爺さんは鎌の刃の部分に手を翳すと


「ヌオオオオオオオオオオオ!」

と言って鎌を元通りに戻したのでした

「す、凄い・・・手だけで戻したよ・・・」

「ふう・・・ちょっと疲れたわい、まあこれで直ったぞ?」

「あ、はい、ありがとうございます」


「また何かあったら、ここに来てくれ、
たまにはユウリお嬢の顔もみたいしな?
それに、お前さんの体の事もユウリお嬢なら知ってるかも知れんしな」


「あ、はい、じゃあそうユウリさんに言っておきます」


僕は、そう言ってまた鎌を持って、ユウリの所に戻ったのでした



⇒To Be Continued...

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