ミスティックシンフォニー〜セカンド!〜第三十幕〜
作者: 零堵   2011年02月20日(日) 10時29分06秒公開   ID:LjOpF6jSo/I
〜未来の世界〜
時空ポリス署の中の通信室
そこに次のフェイクの情報を聞き出すため、ミスティとレイは
ここにいる人型汎用ロボットのロブに、次のフェイクの所在地を聞き出していた
「ねえ、ロブ、次のフェイクの居場所、わかるかしら?」
「はい、じゃあ検索してみますね?」
そう言って、ロブは大型の機械をいじって、操作する
「検索結果出ました、早苗さん達がいる時代に現れるんですが・・・」
「どうしたの?」
「どうも妙なんです、姿形がどうも人型っぽいんです、確かに前にも
人型のフェイクが現れましたけど・・・この反応・・・
ちょっと見てください」
そう言って、ロブは機械を操って、モニターにその姿を映す
そこに映った映像を見て、ミスティとロブは驚いたのでした
「え・・・このフェイク・・・」
「早苗!?」
そこに映っていたのは、黒っぽい服を着て、空に浮かんでいる
早苗にそっくりな人物でした
「どういうことなのかしら?これがフェイク?」
「はい、フェイク反応が出ているので、間違いなくフェイクです」
そう言っていると、通信室にミスティとレイの隊長
レーベンがやって来たのでした
「今まで捕まえたフェイクが十二体
次でラストのフェイクだと思うのだが・・・
どうしたのだ?」
「レーベン隊長、最後のフェイクなんですけど・・・」
「最後のフェイク?それがどうしたのだ?」
「ちょっとモニター見てください」
そうロブが言ってレーベンがモニターをみる
そして、驚いたのでした
「まさか、この少女がフェイクだと言うのか!?」
「はい、確かにフェイク反応が出ています、その少女の形をしたフェイクですが
一緒にフェイクの捕獲を手伝った、早苗にそっくりなんです
隊長・・・これは、一体どういう事か解りますか?」
「う、うむ・・・そうだな・・・、その早苗と言うのやらが
元からフェイクと言う事はないのだろう?」
「はい、それは無い筈です」
「そうか・・・なら、ミスティとレイ」
「はっ」
「この最後のフェイクの捕獲を命じる、詳細を調べて来るのだ」
「了解しました、行くわよ、レイ」
「そうだね、姉さん、これは一体どういう事なのか、調べないと・・・
行くよ!ミスティックトラベル!」
そうレイが言うと、ミスティとレイの姿がその場から、消失したのでした
残されたレーベンとロブはと言うと
「この少女・・・可愛いな・・・」
「ロリコンですか?レーベン・・・」
「な!っち、違うぞ!何を言っておるのだ!」
「そういう事にしときますね・・・」
「だから違うと言っておるのだ〜〜〜!」
レーベンは、そう叫んでいました
〜過去の時代〜
雪がちらちらと舞う冬の季節
早苗は、学校に行く為、雪の中を晶と一緒に歩いていました
「やっぱり冬は寒いなあ〜」
「そりゃそうだろ?ところで、早苗?」
「何よ?晶」
「昨日篠崎とか伊藤ら女子だけで何か話し合ってたけど、一体なんなんだ?」
「べ、別に関係ないわよ?晶には」
(言える訳ないよ・・・チョコ一緒に作ろうね?とか話してたし・・・)
「すっげぇ気になるんだが・・・」
「それは内緒!まあ、気にしないでね?」
「そうか・・・」
そう話していると、二人のいる前の空間が歪みだして、中から二人、現れました
「あ、ミスティさんにレイ」
「よう、もしかして・・・フェイクか?」
「早苗・・・、本物?」
「どういう事よ?レイ?本物って?」
「本物って、ここにいる早苗は偽物だと言うのか?」
「どうやら、本物のようですね・・・実は・・・最後のフェイクの形が
碧川早苗、貴方にそっくりなんです」
「ええ〜!どういう事?それ!?」
「早苗にそっくり?早苗、双子とかいたのか?」
「いないわよ!そんなに私に似てるの?」
「はい、色違いというのでしょうか?それ以外は、ほぼそっくりです」
「だから、本物?とか言ったんだ、ごめんね?早苗」
「そうだったんだ・・・、それにしても私のそっくりね・・・なんか嫌かも」
「あれ?じゃあ前に出会った、瑞樹姫は嫌なのか?」
「あの子はいいの!昔の人だし!」
「二人とも、フェイクの現れる現場に向かいましょう、レイ、案内して?」
「了解、姉さん」
そう言って、レイに案内されて、フェイク出現場所に向かったのでした
〜フェイク出現場所〜
その場所は、町から離れて、山道があり、奥に山が見える場所でした
「この付近に現れる筈だよ!」
レイがそう言うと、山に向かう山道が歪みだして、中から黒っぽい液体状の生物らしき物が現れました
「あれが、フェイク?私の形してないけど・・・」
「とにかく、捕獲します、協力して下さい!」
「そうだな、行くぞ!早苗!」
「了解、ミスティックシンフォニー!」
「ミスティックシンフォニー!」
二人がそう言うと、二人のグローブが光りだして、二人の服装が変わり
早苗は、魔女みたいな格好
晶は鎧を着た戦士みたいな格好になりました
「気をつけて、あのフェイクは何の攻撃をしてくるか、今の所不明だよ!」
「解ったわ!」
「ああ!って、早苗!危ない!」
「え?キャア!」
フェイクは、いきなり素早く動き、早苗に向かって突撃する
早苗は、回避が間に合わず、フェイクをもろに食らい
フェイクの姿が消えました
「フェイクが消えた・・・、お、おい早苗・・・」
「う・・・・・・・」
「早苗さん?大丈夫ですか!」
そう呼びかけるが、早苗は反応せず、着ている服装の色が変わり
漆黒の色になり、早苗の表情は、無表情になり
呼びかけても全く答えてないのでした
「これが早苗さんの姿をした正体ですか・・・」
「どうやら、完全憑依型フェイク見たい
前のフェイクは性格を変えるだけだったけど
このフェイクは、憑依した相手の自由さえも奪う能力見たいだよ・・・」
「と言うことは、どうすればいいんだ!?あれは、早苗なんだろ!?」
「そうです、こうなった場合、どうすればいいかですが・・・
私のミスティクフォースをやると
早苗さんまでも巻き込まれて、消えちゃいますし・・・」
そう話していると、早苗は無表情で空中に浮かびだし
まるでそこに何もなかったかのようにす〜っとその場から
消えてしまったのでした
「さ、早苗!!」
「落ち着いて下さい、晶さん!」
「そうだよ!叫んだって、早苗は帰ってこないよ!」
「う・・・そうだよな・・・」
「レイ、最後のフェイク、今は早苗さんですが、何処に行ったか解る?」
「待って、やってみる!」
そうレイが言い、小型の端末を弄る
「駄目・・・無理みたい・・・、でも手はあるよ
晶のその腕に装着している、フェイクレーダーの感度を最大限に上げたら
見つかるかも知れない」
「じゃあ、直ぐにやってくれ!」
「その為には、一度未来に戻って、改造しなくちゃいけないけど・・・
晶、そのフェイクレーダー、僕に預けてくれない?」
「解った・・・今は、それしか見つける方法がないんだろ?だから、頼む」
晶はそう言うと、腕に装着しているフェイクレーダーを外して、レイに渡す
そして、三十分たったのか、晶の着ている服が元の姿に戻る
「一体、恵奈さんになんと言えばいいんだ・・・」
「そうですね、こうなったら・・・私が、早苗さんの代わりをやるしかないですね」
「姉さん、それをしたら・・・元に戻るのが滅茶苦茶大変になるんだよ!?」
「構いません、レイ、あれを!」
「!・・・解ったよ、姉さん」
そう言って、レイは懐から、何か液体の入った瓶をミスティに差し出し
ミスティは躊躇いもなく、それを飲む
すると・・・数十秒で体の形が変化
姿が碧川早苗、そっくりになったのでした
「ミ、ミスティさんなのか?」
「はい、時空ポリスって、色々と隠密捜査とかあるので
誰でもなりきれるように変身ドリンクを持ち歩いているのです
私のはレイに預けていたのですが・・・
一度変身すると、元に戻るまで、色々と準備がかかりますから、大変なんです
私が、碧川早苗として振舞うので、晶さんも早苗として、扱ってください」
そうミスティが早苗の声で言う
「そうするしかないよな・・・解った、とりあえず早苗として扱うぜ・・・
レイ、フェイクレーダーが完成したら、直ぐに知らせてくれよな!」
「分かったよ、じゃあ僕は行くね?ミスティックトラベル!」
レイがそう言うと、レイだけその場からパッと消えたのでした
「じゃあ・・・戻りましょうか?晶さん」
「う・・・早苗と同じ声で言われるとな・・・晶でいいぜ?」
「分かりました、じゃあ、晶、戻ろう?」
「あ、ああ・・・」
そうして、二人は戻る事にしました
戻りながら、晶は
(早苗・・・無事でいてくれよ・・・)
そう、思っていたのでした・・・
■作者からのメッセージ
零堵です。
うん、こういう展開書いてて結構楽しいです
この回から、最終幕までを〜早苗編〜として書こうと思います
早苗ちゃん、一体どうなるのか?って感じですね
感想くれた、ルーク様、ちびハチ公様、ありがとうございました。

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