ring-a-ring 番外編
作者: ルーク   2011年02月09日(水) 15時31分33秒公開   ID:gDpB60zr1as
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*エイクside*
「エイク、似合ってるじゃないか」
ウエディングドレスを着てちゃんと化粧をした私を叔父さまが真っ先にほめちぎる。
「え、そうかな。変じゃない?」
「うん。よく似合ってる。母さまの結婚式の時とよく似てるよ」
父さまがうなずく。
「ほんと?きっと母さまのほうがきれいだったわ」
「そんなことはないさ」

と、その時、コンコン、と部屋のドアをノックする音が聞こえた。
「レイルじゃないかな」
叔父さまが嬉しそうに言う。
一気に体温が急上昇するのがわかった。

「エイクー、あのさ………っ?」
何か言いかけたレイルが口をつぐむ。何かと後ろを振り向くと、ちゃんと正装したレイルが(ちゃんと正装しているのを見たのは2回目だ)ぽかんとして立っていた。顔が真っ赤だ。
「なに?」
「あ、いや、その…」
レイルがしどろもどろになっているうちに、叔父さまと父さまが部屋を立ち去った。気を利かせているつもりなんだろうか。ちょっとしゃべりにくいんだけどな。
「……や、きれいでびっくりした」
「え、ほんと?変じゃないかなぁ…」
「変じゃないって!さっきちらっと会場見たらさ、なんか人いっぱいいたんだけど」
あたりまえじゃない。三大公爵家と侯爵家の結婚式なんだから…って、まさか。

「レイル、緊張してるの!?」
「……かもしんない」
見ると、さっきまで真っ赤だった顔が真っ青になって、表情もちょっと硬くなっている。
そうだ、レイルは昔からあがり症なんだった。
「もう、大丈夫だよ。私がいるんだから!」
「そ、そうかな」
「そう!大丈夫!今弱気でどうするのよ」
「そうだ、よな」
固まっていたレイルに少しだけ笑顔が戻った。



「〜〜〜」
私たちのわがままで叔父さまの家で結婚式をすることになった。そこに呼ばれた牧師さんの話が続く。
「誓いますか?」
「は、はい、誓います」
「はい、誓います」
レイルったら、誓いの言葉で噛んでいる。
指輪の交換を、といわれ、左手を出すと、レイルがいたずらっぽく笑う。
「今度の指輪は、一生ものだからな」
小声で言ったレイルにちょっとムッとする。これだけじゃないもん。
「あの指輪だって、一生ものよ」
レイルの指に指輪をはめているときに、レイルに指輪をもらったの日のことを思い出していた。

あの約束だって、今回の誓いだって、きっと守ってみせるんだから。

前を向くと、レイルが微笑んでいた。私も微笑み返して、そっと唇を合わせた。

               [終わり]
■作者からのメッセージ
はー、思ったよりも長編になってしまいました…。
なんか書いてて恥ずかしくなってき(ry

レイルとエイクはあんまりいちゃいちゃしないんですよ!!2人ともなんだかんだで恥ずかしがり屋さんだからね。

この後も、みなさんの心の中で2人が永遠に幸せになってくれれば作者として本望です。
では、この後もよろしく!

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