江戸組っ!総集編(?) #3
作者: ちびハチ公   2011年01月29日(土) 19時40分17秒公開   ID:MRiX6gH5OZ6
 俺達は雷刃と炎刃の力でシンオウ地方に戻る事が出来た。
 タケシの提案でアラレ達の本当にいるべき場所に返す事にした。問題はアラレ達の返し方。今俺は6匹のポケモン達が直径1mの範囲にいる。立ち上がると全身のいたる隙間にポケモンたちが入ってくる。
 「と、いうことなんです。どうしたら良いと思いますか、オーキド博士」
今、サトシがポケモンセンターでオーキド博士と言う人にその事を話してもらっている。
『やはり君の思った通りのようだよ、武蔵くん』
武蔵、という名前に俺は驚いた。
『そうみたいですね。アイツの事ですから勘で分かってましたけど』
テレビ電話の画面に突如出てきたのは俺のいとこである武蔵兄ちゃんだった。
「武蔵兄ちゃん?!何でそこにいるんだよ!」
俺はサトシを押しのけて画面に乗り出た。
 「そういえば、誘い神ってこの世界にいるんだろ?どこだ?」
『あぁ、それか。お前は龍馬から聞いてなかったのかよ。・・・あれは奴らが仕掛けた罠だ』
 「あ・・・そうなんだ。それでこのポケモン達なんだけどさ。俺は若草町に帰りたいんだけどこいつらが許してくれなさそう・・・・」
『ポケモン達の意志を優先させたほうがいいんじゃないか?』
確かにアラレ達の思いを優先してここでポケモントレーナーとして旅をするのも良いかもしれない。でも、俺が抜けたら龍馬はこれからどうするんだ?そんな思いが俺の頭を駆け巡った。

         俺は・・・どうすればいいんだ?
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 武蔵さんからある決断を迫られた良は無言。シンオウに残るか、若草町に戻るか。それが良に迫られた決断の内容だった。
 「ごめん、武蔵兄ちゃん。ちょっと考えさせてほしい」
『まあ、どうするか決めたら教えてくれ』そう言うと、武蔵さんは電話を切った。
 その後、良はずっと上の空。僕達おろかポケモン達に対しても無反応だった。

 翌朝になっても良はずっと上の空のままだ。
 とりあえずポケモンセンターを出る事にした。と、突然シンジが良の肩をつかんだ。
「おい、いつまで悩んでる」睨むシンジに対して、死んだ目でシンジを見つめる良。
「単純にこいつらを本来いるべき場所に返せばいいだろ。そうすれば「黙れ!」
良は態度を一変させた。さっきまで良の肩をつかんでいたシンジの腕を振り払い、シンジの服の襟をつかんだ。さっきまでシンジの肩にとまっていたムックルは当然、僕の方に飛んでくる。良の周りにひっついていた他のポケモン達も良の剣幕に僕達の元に避難。
 「アラレ達はもう普通のポケモンじゃないんだ!あの一件で心に傷が出来たんだ!お前もその位「マグ、マグ」
さっきまでサトシの後ろに隠れていたマグマラシが良のジーンズをそっと引っ張る。
「・・・え?」
良はゆっくりと周りを見た。ここはポケモンセンターのど真ん中。あまりの良の怒声でポケモンセンター内の人々が驚いている。それをマグマラシは、自分の主人を馬鹿にされているようで見ていられなかったんだろう。
 力が完全に抜けた様に良はシンジの襟から手を放した。
 「・・・ゴメン、シンジ・・・。皆さん、驚かせちゃってごめんなさい」
驚いている人々に一礼する良。
 頭をあげると、良は急に走り出した。さっきの良の剣幕に驚いていた6匹のポケモン達は急いで良の後をついていった。
 僕達が唖然として立ち尽くしているのもつかの間、良の周りにいたポケモン達の鳴き声がした。
 その後聞こえてきた声は聞きなれなかった。
 「嫌だね!あんた達をサカキ様の元に送れば、あたし達はスピード出世でいい感じーよ!」
 僕達は急いで外に出た。良の怒声はまだ響いている。その声をたどると、上空。変な形の気球があった。その気球には下に檻があった。その中にいたのは良と良にひっついていたポケモン達。
 ついに良はポケモンの言いたい事が分かる能力がある事を知られたんだ。それで、捕まった。

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 俺はオリの中。アラレ達6匹と共に捕まった。
とにかくオリを蹴りまくった。でもビクともしない。
 「良!大丈夫?!」龍馬が叫ぶ。
 「ロケット団!何の狙いがあるんだ!」
「『何の狙い』があると聞き、地平線からやって来た」
「風よ!」「大地よ!」「大空よ!」
「それより良を放せ!」龍馬はすごい剣幕だ。
「良!ポケモン達に檻を攻撃させろ!」サトシが叫んだ。
 俺はすぐにポケモン達に伝えた。
「みんな!檻に体当たりだ!一、二の、三!」
一人と六匹、一気に体当たり。それでもビクともしない。
  と、その時シンジが珍しく叫び声をあげた。
「おい!下だ!下を蹴るんだ!」
俺はその言葉にハッとした。俺は上空にいる事、そして檻の床が開いて入れられた事を忘れてた。そうだ。シンジの言う通り、下を蹴ればいいんだ!
 「下蹴るぞ!みんな、大丈夫だよな?!」
「「OK!」」
「じゃあ行くぞ!いいな!」
六匹一斉にうなずく。ノコ、アラレ、リオ、ムーは俺にひっついている。
「一、 二の、三!」
リク、レン、そして俺は同時に下に攻撃を仕掛けた。
 俺達は落ち、何とか着地した。
こんな事をされて黙ってる俺じゃない。すぐさまみんなに指示を出した。
「みんな!必殺技でぶっ飛ばすぞ!」
 アラレ達は思い思いに必殺技を繰り出す。ソーラービーム、スピードスター、ハイドロポンプ、ほうでん、きしかいせい。俺も雷刃と炎刃で加勢。
 一気にこれを食らってまだ耐える、って奴はさすがにいないだろうな。
 俺の思った通り、奴らはどこかに飛んで行った。

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 「痛ッ!」
「ホラ、じっとしてな。悪化するよ」
今、あいつらは治療を受けている。
「タケシ。良と一緒に来たポケモン達、大丈夫?」
「まあ、大丈夫だろうな。元気そうだし」
 そんな中、あいつだけはぶつぶつと何かを言っている。
「何でアラレ達同様軽傷の俺が、重傷の人みたいに治療されるんだよ」
「これを見て軽傷って思う人がどこにいるんだよ!」
茶髪は姉貴の背中を強く叩く。
あいつはそれから文句を言わず、黙り込んだ。
 
 治療を受けたあと、あいつが口を開いた。
 「龍馬。俺、決めた」
姉貴の一言に俺を含めた全員が立ち止まった。
「俺、シンオウに残る」

あいつは自分の決意を武蔵、といういとこにつたえている。
 「そうか。こっちに残ってポケモントレーナー、か」
「若草町に戻っても大して得しないから」
『全く。本当はお前にくっついて来たポケモン達の事が心配なんだろ?』
それを聞いてあいつは頬を膨らませた。よほど察してほしくなかったらしい。
 「そう言えば武蔵兄さんはいつまでシンオウにいるんだ?」
『お前次第で残るか残らないか決めようと思ってたんだ。お前は、お前の事を熟知してる人間が目をつけてないと危ないからな』
確かに。こいつは人の倍以上の行動力をもつ。その上、こいつは危険な事を平気で行う。俺たちだけじゃ手に負えない。
『じゃあみんな!良の事、よろしく頼むぜ!』
そう言うと武蔵は電話を切った。

 翌朝。
「オーキド研究所からお届け物です」
 その届け物の中身は、リュックとポケギアだった。
 あの武蔵とかいう奴、意外に準備が良いな。

 その日、茶髪は『若草町』に帰っていった。
 
 「さぁて!俺達全員完治した訳だ!出発だー!」
あいつは茶髪が帰っていってからテンションが高い。
 「おい、良!ポケモン達、どうするんだよ?」
三人組のうちの一人が言った。
こいつの周りにはポケモンが六匹もひっついている。こいつらはモンスターボールにも入ってない。
「あ、忘れてた。どうするんだっけ?」
こいつの事だから覚えていないのも仕方無いか。
「モンスターボールに入れるんだよ」
それを聞いたあいつは納得したような表情だ。
「でも俺、モンスターボールなんて一個も持ってないだけど」
「そうだろうと思った」
細目はボールを六個渡した。
「サトシ!タケシ!サンキュ!」
あいつはボールを五個持つと、ピカチュウ連れと細目の背中を強く叩いた。音がかなり響いてる。かなり痛そうだな。
 「まずはリクとレンだな。二匹とも、ゆっくり休んでてくれ」
あいつはモンスターボールをベイリーフとレントラーの目の前に転がす。自分で入るか入らないか決めろ、という事だろう。ベイリーフとレントラーはすぐに入った。
「マグ、マグ」「ムックール」「リオ」「ワニャ」
マグマラシ、ムックル、リオル、ワニノコがあいつに声をかける。自主的に入る、と決めたようだ。
「そっか。なら俺はそれに従うだけだ」
あいつはボールを転がし、マグマラシ、ムックル、リオル、そしてワニノコがボールに入る。
 「それでさ、サトシ」
「何だ?」
「俺、一匹外に出しておきたかったんだけど・・・。ノコ、ホントは嫌がってたから」
姉貴は頬をかきながら言った。
「ああ。それなら、一匹モンスターボールから出せばいいだけ」
「そっか。サンキュ」
 そう言って姉貴はワニノコをボールから出した。ワニノコは姉貴の頭に乗っかった。
 「よし、これで旅再開できるね」青髪の女がニコニコと笑った。
「おう!」何故かあいつが返事をした。
■作者からのメッセージ
はい。一話だけ長くなりました。申し訳ございません。orz
P.P.Pも全然進んでません。がんばって進めます。よろしくお願いします。

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