シンヒカ小説 お題:私を見て! (修正しますた)
作者: ちびハチ公   2010年09月11日(土) 19時56分24秒公開   ID:MRiX6gH5OZ6
 シンヒカサイト「ダウト」のお題30個消化開始!
 最初は香田さんの「私を見て!」です。
 
「バトル、やらないか」
「おー!良いな!賛成、賛成!」
シンジの誘いに軽々と乗った良。相手のレベルとか全然考えてない所はサトシ以上に単純なのかも。
 「なら、俺が審判をやろう」
タケシが二人のバトルの審判を買って出た。
「サンキュー、タケシ!」
「なあ、俺バトル見ても良いか?」
「あ、あたしも!」
 サトシとシンジのバトルは何度も見た。だけど、シンジがサトシ以外のトレーナーとバトルをしている所は見たことが無い。ちょっと興味があるんだよね。
「分かった。俺もお前らが怪我しないように配慮するけど、自分でも気をつけてくれよ」
良はパチン、と指を鳴らして言った。それに対してシンジはシカト。
 あーあ。シンジも旅をしてから変わったかと思ったけど、全然変わってないみたい。
 まあ、そんな事思っても仕方ないけど。


 「ルールはお前が決めろ」
「おう!なら、2対2のシングルでどうだ!」
「かまわない」
 良とシンジがモンスターボールを構える。良のワニノコのノコは良の頭に乗っかったまま。大丈夫なのかな・・・。
 そして、バトル開始。
「エレキブル!バトルスタンバイ!」
「リク!レッツ・ファイッ!」
シンジは電気タイプのエレキブル。それに対して良は草タイプのリクことベイリーフ。相性ではシンジの方が若干有利。草タイプのワザは電気タイプに効果は今ひとつだからね。
 「かみなりパンチ!」
「マジカルリーフ!」
リクに向かって走るエレキブルに強烈なダメージを与えるマジカルリーフ。草タイプのワザだけど意外に効いてるかも・・・・。
「かみなりパンチをよけて、ソーラービーム!」
リクはかみなりパンチを瞬時によけた。エレキブルの後ろに回りこむと、すぐにソーラービームを放った。ソーラービームはエレキブルに直撃。
 「エレキブル戦闘不能!ベイリーフの勝ち!」
「よっしゃ!サンキュー、リク!」
良はリクを戻した。
 「ドダイトス!バトルスタンバイ!」
「ノコ、頼んだぜ」
シンジはボールからドダイトスを出した。それに対して良は頭に乗っかっているノコをバトルフィールドに。また、相性が良よりシンジの方が有利。何でいつもシンジのほうが相性的に有利なんだろ・・・。
「ハイドロポンプ!」
「ハードプラント!」
 え?!いきなりそれ?!
良サイドに比較的近かったあたしの目の前に硬い植物が現れた。あたしはものすごく驚いて尻餅をついた。
「ヒカリ、大丈夫か?!」
良はタケシに試合中断を申し出て、あたしの元に駆け寄った。とはいっても近いけど。サトシとタケシも心配して私のほうに来てくれた。だけど、シンジだけは何も無かったかのよう。
 「おい、シンジ。いくら何でも、何事も無かったかのように振る舞うのはおかしいだろ」
良は睨まず、小首をかしげて言った。さすがにあたしより年上だと対応の仕方が違うわね。
 だけど、それに対してシンジはこう答えた。
「別に。そいつがよけなかっただけだろ。お前たちが心配するほどでもない」
 (・・・もう、限界!)
あたしは立ち上がった。
「何よ、それ!いい加減にしてよ!一緒に旅をしてる仲間でしょ?!少しぐらい仲間のあたしの事心配してくれてもいい・・・ッ!」
 あたしは急に右足が痛くて立てなくなった。
「ヒカリ!お前・・・・我慢してたのか?」
「・・・・え?」
サトシの言葉にあたしは驚いた。よく見たら、あたしは右足を何かで切ってた。
「あちゃー。さっきのハードプラントだな。じゃなきゃこんなに傷は深くないぜ」
良は頭を掻き毟る。どうやら、救急道具が無いみたい。
 と、その時。
「おい」
良が振り向くと、そこには白い三角巾を持ったシンジがいた。
「これ、治療に使え」
「へえ、シンジが医療用の三角巾を持ってるとは思わなかったな。意外に準備がいいな」
良はありがたそうに三角巾を受け取った。
「・・・ただ、こいつがいつ怪我してもおかしくないから・・・」
シンジはボソリと言った。タケシとサトシは聞こえなかったみたいだけど、良とあたしには聞こえた。
 「よし、これでOK」
良はそういうと、あたしを背に乗せた。
「歩けないなら背の高い奴が抱えるのが一番だ」
「・・・重くない?」
「全然。ノコを頭に乗せてるような感覚だな」
良はそう言った。余裕の表情でげたげた笑ってるから本当なのだろう。
「三角巾付け直したほうが良いんじゃないか」
「何心配してるんだよ、お前らしくないな。三角巾はよほどゆるすぎない限りそんな頻繁に付け直さなくていいんだよ」
良はにっこりと笑った。


そのあとも、シンジは心配だったみたい。いつもはろくに手伝わないくせに良があたしの傷を治してるのを見たとたん、すぐに手伝い始めた。
あたしは以前から少し気になってたけど、その日からシンジに強く惹かれるようになった。『弱ってる時に優しくされると惹かれる』っていうのは本当だったのね。



ここが「ダウト」への入り口
■作者からのメッセージ
少々変更を加えました。(シンジが良の事を『姉貴』と呼んでいたのを『お前』にしました)
ちなみに、これも「江戸組っ!」のみで通用する設定となりました(汗
あれに続いてこれも・・・・(汗

■一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集