シンヒカお題:暗いその顔 (コメントに忠告〔?〕を追加)
作者: ちびハチ公   2010年11月15日(月) 19時09分46秒公開   ID:MRiX6gH5OZ6
 最近、コンテスト上手くいかないな・・・。
 だんだん焦る。焦りが失敗を呼んで、また焦りも呼ぶ。
 今日の泊まり場所はポケモンセンター。あったかいから良かった。
 あたしはため息をついた。ため息をついたのは今日だけでも数え切れないほど。
 と、その時。ノックの音が聞こえ、良の「入ってもいいか」という声がした。
「うん、いいよ」
 ドアを開けて入ってきたのは予想通り良。でも予想外の人が一人いた。それは、シンジ。
 「ヒカリ、ちょっとベッドで寝ててくれ。いいもんやるから」
「あたし子供じゃないんですけど」とりあえず反発する。
「じゃあ、コンテスト必勝法教えてやる」
 あたしは良のその一言につられて、上のほうのベッドに寝そべった。
 変な音が二回。その後、しばらく陶器がこすれあう音と良とシンジの話し声が聞こえた。 「なあ、ヒカリ」良の声がした。
「・・・何?」
「お前さ、シンジの事、どう思ってるんだ?」
カンッ、という変な音とシンジの「あ」という声がした。
「シンジ?!何した?」
「・・・入れすぎた」
「ったく、だからここに持ってこない方が良いって言ったんだよぉ」
「こ「言い訳は聞きたくありましぇん」良、ぴしゃり。語尾が変だったのは別として。
 「ヒカリ、降りてきていいぞ」良の声がした。 
「隣、おいで」
あたしは良の隣に座った。目の前には何故かテーブルが。
「・・これは?」
「日本から持ってきました。盗んだんじゃないよ、借りてきたよ。まあ、そこにあるのを飲んでみてくれよ」
「うん」
目の前にあるそれを飲んでみる。
 「・・・どう?」
「熱いし、苦い」
「どれどれ」良がスプーンを取り出して少し舐める。
「うわ・・・。シンジ、これ苦いぞ。ヒカリ、ちと貸してくれ。飲み易くするから」
そう言って良はミルクを入れ、私に手渡した。
 「今度はどうだ?」
「何か・・・・。今までの、コンテストに対しての不安が嘘みたい」
 良はシンジとあたしを交互に見ながら、何故かニヤニヤ。
「・・・良、何笑ってんの?」
「別にー。キシシ」
「キシシ、って言ってるじゃん。自分で」
「ありゃま」良は他人事のように言った。
 何でシンジが来たのか分かんないけど・・・・。次のコンテスト、上手くいく気がする。

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前、後日談(?)
  あれは、ヒカリの部屋に行く前の事。ポケモンセンターの裏。
「気持ちを安定させる薬品?!」良は驚きの余り叫んだ。
 (こういうやつ、物語ではよく見るけど。現実にもあるもんだ。・・・内容は別として)
 「・・・無いのか?」
「ある。けど、凡人使用禁止薬品だ」良はわざと難しい言葉を使った。
「・・・なんでだ」
「俺達屍がこの世に降りた時、感情が爆発して暴走しないためにある薬だ。だから効力はこの世界で言うと、毒薬並み。つまり・・・分かるよな」
 感情鎮圧薬。良はシンジ達と出会う前、武蔵にこの薬の事を聞いた。武蔵によれば、ヒカリと同じ状態の人を助けようとした屍が助けたかった人間にそれを与えたところ、死んでしまったらしい。
 「それにスランプは本人以外解決出来ないんだ。俺達は、何も出来ない」
 「だからって、ヒカリをあのままにするのか?!あのままじゃ「俺だって出来る事ならお前が思ったような事をやりたいんだよ。力があるからな」良はシンジをきつく睨んだ。
「でも、スランプはいくら力があっても他人は解決できない」
シンジは黙りこくった。
「それに、あいつはこんな事で乱心する奴じゃない。それを一番分かってるのはお前だろ?」
眉をひそめ、こぶしを握る。おまけをつけると、顔が真っ赤である。
 (うわ〜。感情の波がすごいことになってらぁ。こういうときは・・・・)
 良は口笛をヒュゥッと吹き、こう言った。
 「俺、効果の弱い薬品知ってるぜ」
それを聞いたとたんシンジは良を見上げた。
「すぐに調達してやる。ただし、条件がある」
「条件・・・?」突然良はいつものシンジが消えた気がした。
 「それは少し、調合が必要だ。何せ、屍用だからな。調合のレシピは俺が書いておくから安心しろ」
「・・・分かった」
良はシンジをじっと見た。すると、シンジは言いたくないような顔をした。が、すぐに口を開いた。
「・・・お願いします」

 (俺、シンジ調合できるかな、っていう心配の目で見たはずなんだけどなあ。『お願いします』と言え、って目をしたと勘違いしたみたいだな。しかも屍用だっていうの、すんなり受け止めてたし。あいつは冷静さを失うとああなるのか、勉強になった)
良はその夜、サトシ達が寝た後に一人でクスクスと笑っていた。

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■作者からのメッセージ
前、後日談まで入れてしまいました。しかも内容変えたの三回目です。本当に申し訳ない気持ちで一杯です。申し訳ありません・・・・・。
楽しんで読んで頂ければ幸いです。
・・・もっとたくさんの人に見てもらいたいな・・・・。

ここで一つ忠告(?)です。凡人使用禁止薬品は「江戸組っ!」内のみの設定となりました。P.P.Pでは出てきませんよ〜(笑

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