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作者: ルーク   2011年01月06日(木) 17時14分08秒公開   ID:gDpB60zr1as
エイクがレイルに出会うずっと前の物語。


「またお嬢様が逃げ出しましたぞ!!」
「どこにいらっしゃるんですかー?エイクお嬢様!」
周りで大人たちがバタバタと走り回っているのを(それも自分の為に)窓の外から見ていた幼い少女…エイクはくくっと楽しげに笑った。

「もう、やってらんないわよ」
彼女は、次のパーティで着るドレスの採寸を抜け出して、庭園で一番大きな木に登っていた。
当時8歳のエイクはこのころから周りの「いい人の仮面」をつけた人たちを嫌い、よく勉強や会食をすっぽかしてぶらぶらと散歩していることが多かった。

「さぁて、じいたちがさすがに心配するから、もうそろそろ帰ろうっと」
そういったエイクが木から下りようと枝を渡っていると、



ぱきっ。



「きゃぁぁぁぁー!!」
彼女が体重をほとんどかけていた枝がいとも簡単に折れ、足場を失った彼女は背中から落ちていった。

―だめっ、死んじゃう!

そう思い、目をつぶって覚悟を決めた瞬間、何か柔らかい衝撃に身を守られた。

「だいじょうぶっ?」

びっくりしたように自分の顔を覗き込んでいるのは、召使の格好をした男の子だった。年はさしてエイクとは変わらないだろう。髪は真っ黒で、普通の男の子に比べると割と長い方だと思う。

「え、ええ」
やはりびっくりした顔で答えたエイクは照れ笑いした。
「はー、びっくりしたよ。僕、よくこの木の下で勉強してろって言われてて、ついさっきも勉強してたんだけど、いきなり枝が折れて頭にぶつかるし、女の子の叫び声は聞こえるし。
 えっと、もしかして、その格好は、お嬢様だったりする?…ああいや、なさいますか?」

あわてて言葉づかいを変えた少年の対応がちょっと気に食わなくて、エイクはあわてて首を横に振った。金髪がふわふわと揺れる。

「ううん、ちがうの。あの、あそぼ?」

少年は青い瞳を大きく見開かせて、そのあとすぐに嬉しそうにうなずいた。


                [つづく]
■作者からのメッセージ
こんにちは〜
ちょっと番外編を作ってみました!数年前の(ちょっと数えるのが面倒だった)エイクと、んー、内緒。(っていってもわかりやすいですよね、ありきたりですよね)

何で小さい子ってこんなに可愛いんだろう!!妹か弟ほしかったなぁ…。
(末っ子なんです、私)

もうちょっとしたら続き書きます!本編もちゃんと書きます!では。

special thanks いつもコメントくださるちびハチ公さま。

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