「芋」 「学園祭」 「落語」
作者: モモ  [Home]   2010年11月01日(月) 19時22分12秒公開   ID:.YGsdf.9cjE
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10月31日。ハロウィン。
この日は、わたしの通っている学校は学園祭が行われる。
わたしは落語部という部活に入っていて、今日はその本番が学校の講堂である。

話は変わって、わたしは今友達とケンカをしている。
その友達とは小学生からの友達で、とても仲がよかった。
原因はわたしにある・・・と思う。
昨日一緒に遊んだときに、友達が食べていたいちごのショートケーキの一番上のいちごをわたしが食べたのだ。
別にそんなに怒ることじゃないと思うけど。友達はすごく怒ってしまった。
わたしなんか、いつも弟に食べたいケーキを食べられちゃうし。。。
その友達とは長い付き合いだったから、そんなことで怒るとは思わなかった。
すごく怒ってたから、もう私とは口もきいてくれないかも・・・。

また話は変わって、あと5分で本番だ。
今は舞台で先輩が語っている。あと少しでわたしの出番。
ついにわたしの出番になり、舞台に上がると・・・。
驚いて本番だということを一瞬忘れてしまった。
なんとケンカしたはずの友達が1番前に席に座っていたのだ!

本番が終わって、私は急いで観客席に回った。
けど、たくさんの人の中に友達はいなかった。
走って講堂の外に出た。
急いでいるわたしをたくさんの人が驚いて見ているが気にしない。


講堂の裏にある小さな庭に行くと、友達がいた。
「るりちゃんっ!」
下を向いていた友達は、私が大声で名前を呼ぶとビックリして顔を上げた。
小さな庭に置いてあるベンチに、わたしは駆け寄ろうとして落ちていた小さな石でつまずいて転んでしまった。
友達はしかたがないという風にわたしの所へ歩いて来て、手をさしのべた。
「浴衣で下駄で走るなんて・・・。あんたって子はホントドジっ子ね」
わたしは立ち上がると、友達に笑いかけ、そしてケンカしていたことを思い出し、ちょっと気まずい気持ちになった。
「あの、さ、」
目を泳がせながらそう言うと、わたしは思い切り頭を下げた。
「こないだはいちご食べちゃってごめんなさい!!」
友達はなぜか笑っていて、
「ううん、別にいいよ。こちらこそごめんなさん」
と、ぺこりと頭を下げてあやまった。
「どうしてるりちゃんがあやまるの!?悪いのは私だよ?」
わたしは混乱して目が回ってしまう。
どう考えても、悪いのはいちごを食べたこのわたしだ。
「いいの。あたしもちょっと怒りすぎたかなって」
「でも、るりちゃんがあやまることはないよ!」
友達はただ微笑むばかり。
「まぁ座って一緒に焼き芋でも食べよ!」
友達はそう言って、わたしの浴衣に付いていた土を払うと、歩いて行ってベンチに座らせた。
「はい、どうぞ」
友達はわたしに焼き芋を手渡した。
「あ、あつっ!」
わたしはおなかが空いていたので、かぶりついたら、焼きたてだったのですごく熱かった。
「もぉ〜、気をつけなきゃだめだよ」
友達は笑いながらわたしを小突くと、こう言った。
「これからも友達でいようね」




⇒To Be Continued...

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